Peach blossom(家庭療育ブログ)

【家庭療育】1対1対応(数概念をつけよう)

🌸桜🌸です。
今回、重度発達障害の子供に知ってもらいたい課題の1つ「1対1対応」の概念について書いていきたいと思います。
梅子は3年かけて「1〜100」並べで100までの数字の成り立ちを知りました。

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数字が分かるのなら概念などすぐに理解できるのではないでしょうか?

🌸桜🌸

私も最初、そう思っていました。
しかし、梅子さんは理解できませんでした。

数字がわかるのなら個数の対応もすぐ理解するだろう…と思っていました。
しかし、例えば3という数字は言えて、書けても3個という事には結びついていませんでした
「3」という数字が何を表しているのか分からない状態でした。

療育センターのセッションでも、たくさんの立方体の積み木からカードに3という数字カードを梅子さんに提示して皿に置いてもらう課題をしましたが全く置くことが出来ませんでした。
最初は、皿に積み木を置くことすら理解できませんでした。
次に皿に積み木を置くことは分かっても、何個置くのか分からず、全部、のせようとしてました。

🌸桜🌸

たった3個の積み木を皿の上にのせることができず、愕然としました。
100の数字まで理解できたと思っていたので概念のない梅子さんを見て落ち込みました

1対1対応の出来ない梅子さんを見て、「これは放っておいてはいけない」と思い小学校3年の夏休みに教えました。

タイルを使うことで次第に数字と量が伴うようになってきました。

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1〜10のタイル並べと積み木

シートと数字カード

1.シートを10枚並べ数字カードを置いていく

タイルと積み木

タイルを置いていく

1から順番にタイルを置いていく

積み木を置く(子供に数唱させながら)

沢山の積み木の中から1個ずつ子供の手を介助しながらタイルの上にマッチングしていく

応用編

1)タイルを置いた状態で順番通り積み木だけ置いていく事に慣れてきたら、次は、順不同で指示を出して、タイルの上に積み木を置いていってもらう。

2)タイルを取り除いた状態で、順番通り積み木を置いていく

3)タイルを取り除いた状態で、順不同に指示を出して数字に見合った積み木を置いていってもらう。

タイルと夏野菜

積み木が置けるようになると次に何をするのですか?

🌸桜🌸

教えた当時、夏休み期間中でしたので『夏野菜』を使いました。

積み木が数字通り置けたとしても、積み木だけしか置けない…ということはよくありました。
正直、積み木しか使えないのでは課題学習の意味がありません。
丸でも、細長いものでも数字の通りの数が置けることが重要です。

梅子の場合、プチトマト・きゅうり・ナス・スイカ・とうもろこしなどありとあらゆる夏野菜を使ってタイルの上に置いたり、大きな夏野菜は野菜の上にタイルを置いたりして1対1対応を教えていきました。

まさか野菜に数を数えることをするとも思っていなかった梅子でしたので、案の定、教え初めは、ことごとく間違えていました。

その都度、タイルとマッチングしながら教えていきました。

冬鳥の数(5以内の数)

🌸桜🌸

次に5以内の数を数えずにパッと見て答える練習をしました。

何故、練習をしたのですか?

🌸桜🌸

パッと見て答える…というのはコミュニケーションが伴います。
数の理解を通してコミュニケーションを育てるのが目的でした。

浮いている水鳥を指差して…
私『全部で?』
梅子『○!』

『全部で?』と聞かれると数字で答える練習を毎日、早朝マラソンの途中の川で繰り返し教えました。
梅子にとって『全部で?』は、数字を答える言葉だと認識していきました。

買い物

🌸桜🌸

次に買い物をする時のメモについて教えました。

文字が読めない場合、絵カードでも大丈夫ですか?

🌸桜🌸

はい。
大丈夫です。

個数を教えるのが目的です。
ただし、個数は示してあげてください。
子供にいくらカゴに入れていいのか迷わないために1対1対応の力は必要です。

梅子の場合、文字は読めても理解するに至らない…という特徴があります。
そのため、上記のメモ用紙と別のメモ用紙を用意し、同じ内容を書かせて読ませて理解させるような一手間が必要でした。

自分の文字で書いたメモ帳を持ってスーパーに買い物に行き、食材と数が合うように教えていきました。

スーパーで買い物をする時、店内は情報が多く溢れています。
そのため、メモ帳を持って買い物に行っても、目的の食材が置かれている場所まで子供だけではなかなか辿り着けない場合があります。
そのためにスーパーを教えるときは、あらゆる分野に分けて教える必要があります。
今回は1対1対応がメインですので、食材までは連れて行ってあげてくださいね。

1円玉とタイルのマッチング

野菜で1対1対応ができるようになれば、後は簡単ですね。

🌸桜🌸

それがそうでもありませんでした。
梅子にとってはそれはそれ、これはこれ…という分かりづらさがあり、お金はお金で1対1対応をする必要がありました。

夏野菜以外に硬貨やお札も同様にマッチングさせていきました。
1のタイルには一円玉
5のタイルには五円玉
10のタイルには十円玉…というようにタイルの大きさに合わせてマッチングしていきました。

特に一円玉は1対1対応に向いている金額でしたので、100までマッチングさせていきました。

タイルを使うことで数字の背景にある目には見えない『量』が見えてくるようになります。
重度発達障害の子供にとって数字だけだと量を認識することはすごく難しいです。
是非ともタイルで数字と共に量も教えてあげてくださいね。
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では!🌸桜🌸

成人になった重度発達障害者の梅子さんと一緒に課題学習を通して、心を育てる療育を実践してきた。ヘレンケラーとサリバン先生のような指示の通る関係の構築に尽力してきた。療育は、新居浜にあるトモ二療育センターで9年間勉強。現在、梅子さんは、地元の通所施設で毎日働いている。
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