🌸桜🌸です。
梅子さんが生まれてから自閉症と診断(3歳)を受けるまでの様子を書いていきたいと思います。
梅子さんは2人目ですので、心にも少しゆとりを持っていました。
そんな中で少しずつ梅子さんに異変が起き始めてきた時期でもあります。
ほんの些細な異変でも後から思えば、発達障害の兆候だったと思うことがありました。
重度発達障害児の赤ちゃん期について思い出しながら書いていきたいと思います。
梅子さんの赤ちゃん時代
梅子さんの赤ちゃん時代ってどうだったのですか?
梅子さんは2人目というのもあって育てやすかったです。
しかし、健常の赤ちゃんに起こるモロー反射がありませんでした。
梅子さんの赤ちゃん時代は、2人目という事もあってか、すごく育てやすかったです。
大人しく過ごしてくれる赤ちゃんで正直、助かる赤ちゃん時代でした。
特に、上の娘は、初めての子供という事もあって、非常に手がかかった印象でした。
抱っこされていないと泣いてばかりの赤ちゃんでした。
長女の赤ちゃん反応は、健常そのものばかりでした。
長女の育児の様子も含めて、今、振り返って思うと、梅子さんの赤ちゃん時代は、曲者だと後からわかりました。
後追いもあまりせず、1日寝ていたか、私を求める様子もあまりありませんでした。
特に、顕著に現れたのは、「モロー反射」でした。
長女は、モロー反射をバンバンしてくる赤ちゃんでしたが、梅子さんは、全くしませんでした。
その時から、梅子さんに違和感は感じていました。
発達障害の赤ちゃんは、2通りあると思います。
- 大人しい赤ちゃんタイプ
- 赤ちゃんなのに多動で泣き止まず、抱っこも嫌がるような、育てにくいタイプ
知り合いの発達障害のお子さんの赤ちゃん時代は、梅子さんの赤ちゃん時代の真逆でした。
モロー反射のない梅子さんに違和感を感じながら育てていました。
- モロー反射のない梅子さんに違和感
- あまり私を認識していない素振りがあった
- 手のかからない赤ちゃん時代だった
梅子さん1歳
梅子さんが1歳になってからは、どんな状態でしたか?
梅子さんの身に大きな事件もあったのですが、同時に「言葉の消失」と「模倣の消失」が起こりました。
梅子さんが1歳の時、私は仕事を始めようと思い、梅子さんを長女と一緒の保育所に預けました。仕事中、保育所から電話がかかってきて、大きな病院に運ばれたという電話でした。
急いで駆けつけると、梅子さんの顔全体が火傷になっていました。
原因は、保育士が泣き止まない梅子さんの顔に蒸しタオルで顔を塞いだことが原因でした。
後から分かった事は、保育士がご主人と離婚するかしないかで悩んでいて、イライラしていた時、泣き止まない梅子さんにカッときた事だと知りました。
梅子さんは、私が「バイバイは?」と言えば、手を振る仕草をしていたのですが、入院中、消失しました。
その時は、火傷のショックで出来なくなったのでは?と思っていたのですが、発達障害の症状が現れ始めた事が原因だと知りました。
お尻の皮膚を移植しなければいけない、ケロイドとして顔に一生残る可能性がある…と医者に言われてましたが、梅子さんが幸い、赤ちゃんだった事で新陳代謝が凄まじく、きれいに治りました。
無事退院しても、梅子さんがどんどん赤ちゃんらしからぬ無表情になっていくのが気になって仕方なかったのを覚えています。
1歳半になっても全く言葉を話さず、指差しをしないまま時だけが過ぎていきました。
言葉がなくても、運動の面では、1歳2〜3ヶ月で歩くようになりました。
- 1歳になる前には模倣ができていたが、1歳の誕生日を境に模倣が消失
- 無表情になっていく
- 発語なし
- 指差しをしない
- 運動面では、健常児と同じ発育をたどる
梅子さん2歳
梅子さんの2歳の様子はいかがでしたか?
発語は全くなく、唸り声だけでした。
指差しがなく、少しずつクレーン現象が現れてきました。
歩き始めると多動の症状が起こりました。
梅子さんが2歳になっても発語がなかったです。
唸り声のような声しか出せませんでした。
歩けるようになった梅子さんは、私の事を気にせず、どんどん一人でどこかに行ってしまう…という事が現れるようになりました。
また、指差しもせず、自分のやりたいことなどを表現する事なく、不快だったら泣くという事だけでした。
ただ、自分が欲しいものがあるとクレーン現象で訴えるようになったのもこの頃でした。
クレーン現象とは、保護者さまなど他人の手を取って物を指したり、取らせたりしようとする行為のことです。自閉症スペクトラム障害のお子さまは言語的に要求をしたり指さしをすることが苦手なことから、クレーン現象が多く見られがちです。
抱っこされるか、ただ泣き続けるかの梅子さんの2歳時代でした。
2歳の検診で引っ掛かり、児童相談所にいく事になりました。
そして、そこで言われたのが「自閉傾向」という言葉でした。
大学病院の先生を紹介され、予約をとるように言われたので、予約をしたら半年待ちの状態でした。
- 2歳になっても発語はなし
- 指差しが出来ない
- クレーン現象が現れる
- 泣くだけで表現する
- 親の私になつかない
梅子さん3歳
3歳になって大学病院の小児神経科で受診されたのですね。
診断を大学病院の小児神経科で受けたと言っていましたが、普通の小児科ではダメなのでしょうか?
はい。
一般の小児科では、診断は出来ません。
小児神経科の医師のもと診断が行われます。
梅子さんも半年以上待ってようやく「重度自閉症」と診断を受けました。
半年も待ってようやく大学病院に行き、3時間以上待たされて診断されたのは、「重度自閉症」という診断名でした。
すでに3歳になっていた梅子さんの知能は1歳以下とのことで先生の計らいで身辺自立に特化した療育センターを紹介され、すぐに通うようにとのことでした。
小児神経科とは…
小児神経はけいれん、運動・知能・感覚・行動または言葉の障害など脳、神経、筋に何らかの異常がある小児の診断、治療、指導を行う科です。
ひきつけた、意識がおかしい、頭を痛がる、頭の形がおかしい、首のすわりや歩くのが遅い、ふらふらする、よく転ぶ、歩き方がおかしい、手足の力が入らない、まぶたが下がる、眼球の動きがおかしい、食べ物にむせる、ことばが遅い、しゃべらなくなった、手や首を変な風に動かす、落ち着きがない、お友達とのトラブルが多い、集団でみんなと同じ行動ができない、思ったことと違うことがおこると手がつけられないほど泣いたり怒ったりする、勉強についていけない、日中の居眠りが多いなどがある場合に脳・神経・筋肉の病気(障害)が疑われます。
4ヶ月健診、1歳6ヶ月健診、3歳児健診で頭の大きさや形の異常、発達の遅れを指摘された場合、多くの場合、精密検査は小児神経科医に紹介されます。
小児期に脳・神経・筋に障害がある(知的障害を合併する病気、自閉症、脳性まひなど)と診断され、その後あまり病院に受診することなく大きくなって、気になる症状が出た時や健康問題で心配がある場合も、遠慮なく小児神経医を受診してください。小児神経医は小児期から脳・神経・筋に障害のある人が成長後に(成人になって)かかりやすい病気についても専門にしています。
大学病院の帰りは、今、思い出しても地獄のような感覚に襲われていました。
火傷の次に障害…私自身、どこまで耐えれるかもう、生きる自信がなかったのを覚えています。
保護者の方によっては、分かってよかった!と思われる方もおいでるので、障害の受け止め方は人それぞれだと思います。
後日、てんかんの検査ということで脳波を調べたら、てんかんの傾向も持っているから気をつけるように…と教えていただきました。
てんかんが発症したのは梅子さんが中学生の時なので、幼少期からきちんと脳波を調べておく事は大切だと思いました。
梅子さん3歳の時、身辺自立に特化した療育センターに通い出して身辺自立に向けて取り組み出しました。
入った当初は、まだ梅子さんはトイレもとれていなかったので、トイレが取れるのを目標にして取り組み始めました。
トイレが取れたのも4歳になってからの事でした。
ここで1つだけ梅子さんにトイレを教えるにあたり気をつけていたことがありました。
発語もない状態の梅子さんにトイレに連れて行くときは「トイレ」という言葉をたくさん声をかけて聞かせました。
大人になっても羞恥心の薄い重度発達障害なので「おしっこ」「うんこ」だと外出先で違和感を感じたからです。
大人の振る舞いや言葉使いを幼児期から意識することは重要です。
大人になってその言葉はおかしい…と言って言い直させるには、本人も周りもエネルギーが必要となります。
マナーを教えるときは、大人になってもおかしくない振る舞いや言葉遣いを最初から教えてあげることが大切です。
重度発達障害児に向き合うことは、大人扱いをすることが大切になってくるのだと思いました。
以上、梅子さんの幼少期でした。
また、他にも思い出したら、改めて別の機会に書き加えたいと思います。
- 小児神経科で重度自閉症と診断を正式に受けた
- 脳波の検査からてんかんも持っている可能性を示唆されていた
- 身辺自立に特化した療育センターへ通所決定
- トイレトレーニングに向けて家と療育センターの並行で行った
- トイレの声掛けでは「トイレ」という言葉を発語のない時から入れていった
- 大人扱いをすることが大切
では!🌸桜🌸
ヘレンケラーとサリバン先生のような指示の通る関係の構築に尽力してきた。
療育は、新居浜にあるトモ二療育センターで9年間勉強。
現在、梅子さんは、地元の通所施設で毎日働いている。
モロー反射とは、生後まもない赤ちゃんに見られる原始反射の一つです。
大きな音や明るい光、身体がグラッと傾いたときなど、赤ちゃんへ外から大きな刺激が与えられたときにモロー反射は起こります。刺激を受けると手足をビクッとさせ、ゆっくりと万歳をするように腕を広げます。それはまるで何かにしがみつくような姿勢のように見えます。
では、なぜ外部からの刺激に対して赤ちゃんはモロー反射を起こすのでしょうか。目的は、自らの身を守ること、親に外部刺激から守ってほしいというメッセージを送ることの2つです。
生後まもない赤ちゃんは、周囲が危険なのかどうか、またどのくらい危険なのかきちんと判断することができません。それゆえ赤ちゃんはどんな危険な状態に陥っても自らの身を守ろうと、刺激に対して無意識的にモロー反射を起こします。そしてパパ・ママに外部刺激から守ってもらおうとするのです。