Peach blossom(家庭療育ブログ)

【家庭療育】発達障害の理解

🌸桜🌸です。

今回、発達障害者が持っている障害内容の理解について書きました。

発達障害になると本人の中でどのようなことが内面で起こっているのか知りたかったので、9年間、療育センターに通ったとも言えます。

  • そもそも発達障害って何?
  • どうして発達が遅れてくるの?
  • 発達以外にもどうして社会性が身に付きづらいの?
  • どうすれば子供の事が理解出来るようになるの?

他にも発達障害に対して不思議に思う事があるかも知れませんね。
この1つ1つに対して、J子先生と梅子さんから教えてもらったことを書いていきたいと思います。

発達障害(自閉症)って何?

発達障害って何ですか?

🌸桜🌸

「認知の障害」です。

私が昔、J子先生と出会う前に自閉症とはなんぞや?という問いに対して答えを求め続けてきました。
ググってみても、私の欲しい答えはなく、「言語の遅れ」「社会性に乏しい」「多動」など、症状だけを書かれた文献やホームページに辿り着くだけでした。
本当に欲しい答えは、そこじゃない!と思いながら、ひたすらネットサーフィンをしていたことを思い出されます。

そんな中、「梅子さんの幼少期編 3(講演会)」にも紹介したJ子先生の講演会に行き、J子先生から直接学びたい!と思い、梅子さんが小学校2年生の時、県外まで学びに行きはじめました。

梅子さんの幼少期編 3(講演会)
🌸桜🌸です。 梅子さんが4歳か5歳頃のお話です。 梅子さんが発達障害と診断されて以降、4歳から5歳くらいの様子を教えてください。 🌸桜🌸 梅子さんの障害のことで絶望の真っ只中にいました。同時にのちの梅子さんを育てるのに協力してくれた先生との...

J子先生が梅子さんのセッションをしていただきました。

認知の障害です。」と一言でした。

「認知」って何ですか?

🌸桜🌸

字のごとく「認めて(理解)知ること(分かること)」ですね。

Wikipediaの内容を抜粋してみました。

心理学等での認知
心理学・言語学・脳科学・認知科学・情報科学などにおける認知とは、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことをいう。
意識と同義に用いられることもある。
感覚や知覚とならぶ深層の心理を表現し、外界にある対象を知覚し、経験や知識、記憶、形成された概念に基づいた思考、考察.推理などに基づいてそれを解釈する、知る、理解する、または知識を得る心理過程、情報処理のプロセスで認知科学では、人間の知的な働きをその応用側から、工学や医学、哲学、心理学、芸術学などの分野または学際分野から総合的に明らかにしようとする。
また認知距離という人間が対象となる空間や人間などを認知することができる、人間が自分自身を起点として認知している空間や事象の地理的、心理的な広がりである認知領域内部の事物に対する距離(認知距離)がある。
認知は「統覚」と「連合」の二段階にわかれた処理である。統覚は、風景などの知覚から形を取り出す働きであり、その形が何であるのかを判断する働きが連合である。
認知の障害が失認であり、見えたり聞こえたりすることはできてもそれが何であるか理解できない(連合の障害と統覚の障害とでは症状には差異がある)。
見たものが認知できない視覚失認のほか、相貌失認・手指失認など様々な症状があり得る。

う〜ん…難しいのでよく分かりません。💦

  
🌸桜🌸

認知とは、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程とあります。
判断と理解が欠けているのが発達障害ということです。

発達が遅れていく理由

梅子さんが言葉に遅れが出たり、親や周りの模倣が出来なかったり、親である私を認識できなかったりしたのは「認知とは、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことをいう。」所の「認知」に障害をきたしているからでした。

健常児の赤ちゃんは、認知の部分が正常な状態で機能を果たしています。
目が見えなかった時期から、目が見えるようになり、成長と共に五感を通して1つ1つ自分以外の外界にある対象を理解していくことができるようになります。
 
梅子さんは、認知に障害があるから、外界の対象を理解していく事ができませんでした。

体は大きくなっていったとしても、脳の知的な部分には、経験も知識もなかなか貯まる事がありませんでした。
2歳から3歳の体になっていても、乳児のような状態が続いていました。
そのため、健常な赤ちゃんよりも発達が遅れていたようです。

社会性が身につけづらい理由

うちの子、集団の中で遊べないのですが、なぜでしょうか?

🌸桜🌸

ここでも「認知の障害」が関わっています。
コミュニケーションをとることを知らなかったので、得体の知れない他者から逃げていたように思います。

梅子さんは、幼少期は、公園で1人遊ぶのが好きで、お友達がくると逃げてばかりいました。
挨拶もできなければ、集団の中にいることもできない、周りの状況さえ読めず、大騒ぎなどなど、あらゆる社会性のなさを発揮してくれました。🤣

梅子さんの社会性のなさの最大の原因は「人とコミュニケーションをとるもの」ということさえ気づいていなかった…という点でした。
そもそも、人はコミュニケーションをとる生き物です。
しかし、コミュニケーションをとることさえ気づいておらず、私たちが当たり前だと思うことが分からないのです。

では、なぜ社会性が非常に身につけづらいのかを考えた時に、ここでも「認知」が深く関わってきていることが分かります。

認知は「統覚」と「連合」の二段階にわかれた処理である。
統覚は、風景などの知覚から形を取り出す働きであり、その形が何であるのかを判断する働きが連合である。
認知の障害が失認であり、見えたり聞こえたりすることはできてもそれが何であるか理解できない(連合の障害と統覚の障害とでは症状には差異がある)

このWikipediaの文章の中の「見えたり聞こえたりすることはできてもそれが何であるか理解できない」は、梅子さんの脳の中をよく現している言葉です。

梅子さんは、視力も良く、耳も音声を拾える機能は衰えていませんが、その五感からの情報を「連合」出来ないことで、「分からないものは怖いので近寄らな〜い!では!」というスタンスを赤ちゃんの時からとっていたのだと知りました。

どうずれば子供のことを理解出来るのか?

発達障害という正体は分かるようになりましたが、我が子のこととなると理解に苦しみます。

🌸桜🌸

各子供の分かりづらさを知ることから始めるのが最善の道です。
そのためには、観察記録と具体的な取り組みです。

J子先生は、障害のある子供の事で周りと比べて落ち込んでいる保護者の方を見て励ますよりもまず「子供への理解」にフォーカスするようアドバイスをしていました。

最初は、どうしてなんだろう?と不思議に思っていました。
その後、梅子さんの抱えている認知の問題が鮮明になるにつれて、青ざめていきました。
同時に周りの健常児のお子さんに対する嫉妬や羨望の眼差しなど、一瞬にして吹っ飛びました。
健常児と比べるよりも、建設的なことを考えないと梅子さんや私たち家族の人生がマジやばい!というのが正直な所でした。

どうすれば梅子さんに数概念を教えられるのか、どうすれば梅子さんに100までの数字を理解させたらいいのか、どうすれば梅子さんに文字を書かせられるようになるのかと課題学習の量と質が上がるたびに頭を悩ませる日々でした。

そこで、おすすめの1冊をご紹介します。

「本質」を知ること、そして、その「本質」は「ミクロ思考」と「マクロ思考」の間にある…ということを紹介してくださっています。

アウトプットのできない子供の観察するに当たってのマインドやポイントなど、「本質」=「子供の言いたかったことや思い・分かりづらさ」を知るためのヒントになるかと思います。
梅子さんと私の間で起こった出来事について「本質」を見つける事ができたので療育が1歩大きく前進しました。
この「本質」を掴むテクニックの1つに以前書いた「【家庭療育】重度発達障害児の問題行動の記録方法を解説」という記事があるので、よかったらご参考にしてください。

【家庭療育】重度発達障害児の問題行動の記録方法を解説
🌸桜🌸です。 今回、記録の書き方について書いていきたいと思います。 子供の記録を残すことでどうなるのでしょうか? 🌸桜🌸 子供の内面やその時々の状態が分かるようになります。 発達障害のお子さんをお持ちの方で、「子供のことが分からない。」と考...
  • 発達障害は、認知の障害
  • 社会性のなさも認知の障害が関係している
  • 物事を一人で分かっていくことができない
  • 分かりづらい子供と生きていくために観察記録は欠かせない

では!🌸桜🌸

成人になった重度発達障害者の梅子さんと一緒に課題学習を通して、心を育てる療育を実践してきた。ヘレンケラーとサリバン先生のような指示の通る関係の構築に尽力してきた。療育は、新居浜にあるトモ二療育センターで9年間勉強。現在、梅子さんは、地元の通所施設で毎日働いている。
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