🌸桜🌸です。
今回は、掛け算を梅子にどう教えていったのかについて解説します。
重度発達障害者に掛け算を教しえる必要性って何ですか?
梅子さんに掛け算を教えることで3つの生きる力に直結できました。
- 他者と自分に均等分けできる力
- 時計の概念
- 硬貨を面積で認識する力
・他者と自分に均等分けできる力
均等分け出来る力をつけるってどうして大事なのですか?
自分以外の人間…いわゆる他者を意識することができるからです。
重度発達障害者の梅子さんは、日常生活の中では家族であっても他者を意識して暮らしているわけではありませんでした。
例えば、家族が誰か出かけていても気にしていません。
人に意識を向けられない梅子さんに対して、掛け算で人に意識を向けさせることが可能になりました。
並行に数概念を教えていけるチャンスでした。
言葉の面でも「◯個ずつ」の意味と音声を教えていけました。
・時計の概念
時計を教えるのにどうして掛け算が必要なのでしょうか?
時計の「分」は全て5の段で成り立っています。
まずは、5の段をマスターすることをお勧めします。
時計は5分おきに「・」の目盛が大きく描かれています。
まずは、大きく描かれている「・」を5分おきに読む練習から入ります。
そのためには「5・10・15・20・25・30・35・40・45・50・55・60」まで読む力が必要になります。
5の掛け算を音声で知ることで子供に無理なく「分」を教えていけます。
まずは、5の段をマスターすることが大切になります。
・硬貨の価値を面積で認識する力
硬貨を教えるのに掛け算が必要とおっしゃっていましたが何故ですか?
硬貨というのは、時と場合によって「数概念」になったり、「面積で現す」意味に変わったりします。
特に1つ1つ硬貨の価値を現すのに面積で現せることができるタイルの存在が欠かせません。
価値が理解できれば、支払いの時に役立ちます。
例えば硬貨を1個ずつ揃えたとして、1円玉1個と10円玉1個の価値の差を子供が理解できるでしょうか?
価値の違いを分からせるためにタイルという教材で面積として視覚で分かるように教えていきます。
掛け算九九の暗記
掛け算の暗記はどうやって教えたのですか?
健常児のように九九の式と音声を聞かせて教えました。
5の段
5の段は通常「5✖️9」で終わりなのですが、「5✖️12」まで教えていきます。
梅子さんには掛け算の式を見せるだけでは覚えられなかったので、見本を見せてノートに式を書かせながら「ごいちがご」というように音声をおうむ返しで言わせながら覚えてもらいました。
同時に式を書いて九九を唱えながら5タイルを貼っていってもらいました。
0・1・2・3・4・6・7・8・9の段
5の段を覚えてきたら、梅子の場合0の段から始まり、最後9の段まで教えました。
教え方は5の段同様、見本を見せながら式を書かせ、音声を入れていきました。
同時にタイルを貼りながら面積の意識をさせていきました。
0の段を教える必要がありますか?
梅子さんにとって「0」の概念は非常に難しかったのでまずは暗記から入ってもらいました。
タイルを見て掛け算を答えさせる
掛け算九九を覚えてから今度はタイルで入れていったのですか?
はい。
梅子さんの場合、買い物で支払いの金額がわかっていませんでした。
克服するため、面積の概念でしっかり教えようと思いました。
縦✖️横を徹底して教えた
まずはタイルを見て、掛け算の式を言えるように縦と横の関係を教えました。
【例】
2つの式は答えは5なのですが、縦と横の関係を間違えた場合は、間違いだと教えていきました。
面積を教える上で縦の横の数字をしっかり意識させて教えていきました。
タイルを見て式が言えるようになると、面積が出てくるようになりました。
「4✖️6=24」と梅子が言えるにようになってくると本当に24なのか1つ1つマス目に数字を書き込ませて確認してました。
最終、10の段(10✖️◯)がタイルを見て言えるようにしていきました。
「ずつ」をタイルで教える
「ずつ」をタイルで教えるとありますが、どういう事でしょうか?
重度発達障害者は、他者に対する意識が少なく主観的です。
そのため、均等ずつ配るということで相手と自分を意識するため
「◯個ずつ配る」という練習をします。
- 他者への意識をさせる
- 数概念を育てる
- 「ずつ」という言葉を教える
【例】5人の子供に3個ずつみかんを配る。(3個✖️5人)
①それぞれの子供(家族の画像でも可)に3タイルずつ配らせる。
②15個あるみかんを「3個ずつ配って」と言いながら文字も見せて子供に配らせる。
③配り終わったみかんとタイルを全て回収して、3✖️5=15かどうかを子供と確認させる。
このようにして「ずつ」の言葉の意味と掛け算の理解をさせていきました。
上記はイラストですが、自分の画像も含めて家族の画像などを使ってより一層に掛け算を通して、他者へ意識を向ける練習をしてください。
では!🌸桜🌸