🌸桜🌸です。
今回、記録の書き方について書いていきたいと思います。
子供の記録を残すことでどうなるのでしょうか?
子供の内面やその時々の状態が分かるようになります。
発達障害のお子さんをお持ちの方で、「子供のことが分からない。」と考えていらっしゃる方がおいでるかと思います。
多分に漏れず、私もそうでした。(今でも正直、自身の考えに自信が持てない時もあります。😅)
理解の出来ない子供に素人が突っ込んで指導なんて無理だと考えました。
下手に素人が手を出して、子供の心を傷つけてしまってはいけないと考え、専門性のある先生方に任せようと思った時期もありました。
結果は、子供を良い方向に持っていくことが出来ませんでした。
問題行動がどんどん増えていくばかりで、正直、私のイライラが募るばかりでした。
教えたいことも中々、覚えてくれない。
何かをさせるにしても、すぐに大泣きして抵抗してくる。
何を言いたいのかさっぱり分からない。
変な行動ばかりする。
大笑いばかりして、子供のことが分からない。
こんな時、J子先生からは、「梅子さんの生活記録をFAXで毎日、提出してください」と教えていただき、記録を残すことにしました。
記録を残すことで、意味不明な梅子さんの問題行動や課題に対する進捗状況が見えてきました。
記録を取ろうとすることで自分の向き合い方も客観的に見えてきました。
正直、日記さえ続けられない私が毎日、記録出来るだろうかと不安になっていました。
しかし、梅子さんの記録を取ることで、次第に梅子さんのことが見えてきました。
- 記録を取ることで言葉のない子供の内面が見えてくる。
- 自分のことが客観的に見えてくる。
- 記録を取ることで、子供との距離が近くなる。
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【重度発達障害児】生活記録の書き方について
生活記録って日記みたいなものなのでしょうか?
いいえ。子供と自分に起こったことを書いていきます。記録を書くことで子供の分かりづらさと問題に対する工夫に気づけます。
最初、私は、梅子さんの記録の書き方が全く分からず、時系列にその日に取り組んだお題だけ書き連ねていました。
【ダメな例】
上記の内容だと、取り組んだ形跡だけは分かるけれど、読み手側からすれば、「ふ〜ん。そうか…」という感じでした。😓
正直、梅子さんが1つ1つの課題をどこまで理解し、どこから分かっていないのかが、読み手側には、伝わらない内容ですよね。
生活記録もまともに書けなかった私ですが、書き方をJ子先生に教えて頂きながら、梅子さんの様子を観察するようになりました。
【分かりやすい例】
1から100並べの時、盤の1から19までは、提示された3つの数字カードから自分で探して判断し、自分の手でカードを掴みにいき、枠の中におくことができた。
しかし、20に差し掛かったとき、手がウロウロし始めた。
すぐに、20の数字カードを取りに行くことができなかった。
提示してあった数字カードは、20、21、22だった。
梅子は、悩んだ末に21のカードを手に持って枠の中に置いた。
私は、「違うよ」と言って、取り除き、また、3つのカードの中から選ぶように伝えた。
梅子は、また、手をウロウロとして、次は22のカードを手に取り置いた。
私は、前回より大きな声で「違うよ」と言って取り除き、前回と同じように3つのカードの中から選ぶよう伝えた。
梅子は、22のカードが枠内から取り除かれるのを見て、声を出して泣き出した。
私は、その声を聞いて、イライラして、「静かに」と言って伝えるものの、梅子は、泣き止む気配がなかった。
次第に、大泣きに変わったので、仕方なく、全介助をして20のカードを取らせて置かせた。
「違うよ」という声かけが梅子さんの大泣きを助長させたことも浮き彫りになりました。
また、記録から、梅子さんに20の数字を分かってもらうには、どのような工夫が必要か…を考えるきっかけになります。
【考えた工夫を記録】
また、1から順番に置くのではなく、縦方向に10、20、30、40、50、60、70、80、90、100と置いて、マトリックスの法則を入れてやるとかして気づかせてやればどうなのか?
イライラしながら私が全介助で教え始めたことが梅子さんに伝わり、勉強を嫌がった。
本来ならば、2回目に間違えた段階で「大丈夫、出来るよ〜!😙分からなければ、『分かりません。教えてください』カードを見て、伝えてね」と言えばすむ話だった。
指導の中に教える側の否定的な感情が入って、勉強嫌いな子供を作り上げていきました。😅
記録って、怖いですね〜!😁
J子先生には、いつも私の内面を見抜かれて、もはや療育ではなく、私が親業を学ぶということになりました。
- 生活記録は、子供と自分に起きた出来事を詳細に書いていく記録。
- 生活記録を書くことで、子供の問題が浮き彫りになっていく。
- 子供の問題以外に他の環境要因も見えてくる。
- 子供の分かりづらさが見えた時に、工夫を考えることができる。
【重度発達障害児】問題行動を分析する記録方法について
記録をとっても、私には、子供の問題行動がよく分かりません。勉強以外のところで突然、怒り出したり、パニックになったりして、意味がわからないのです。
私も最初は、そうでした。記録を取ることに必死で客観的視点が持てませんでした。でも、コミュニケーションの再現を取り出してからは、記録の取り方と見方が変わりました。
生活記録が書けるようになってきたのも梅子さんと課題を取り組み出して、数年かかりました。
生活記録がまともに書けず、梅子さんの問題行動の大泣きがひどくなってきたある時期、お風呂の課題に取り組んでいた時のことです。
J子先生から「生活記録ではなく、コミュニケーションシーンの再現を書いてください」と連絡をいただき、コミュニケーションの再現という方法に切り替えました。
コミュニケーションの再現って何ですか?
字の如く、子供と私のやりとりの記録です。
コミュニケーションの再現を取ると何が分かるのですか?
言葉のない重度発達障害児の問題行動(言い分)が見えてきます。
上記のような表を作成し、左側に梅子さんの行動や様子、右側に私の声かけやその時の頭の中で思ったことなどを書いていきました。
特に自分のところを書く欄には、思いをたくさん書くのではなく、起こったことだけを書いてください。
自分の思いも一緒に書きたくなるのですが、思いだけが先走ってしまい、本質が見えづらくなるので注意してください。
書き終わってから、見返す時、子供の目線から自分の姿を見返してみてください。
それでも、よく分からない場合、第三者(家族など)に目を通してもらうのも良いかと思います。
他者が書いた物は、冷静で客観的に読めるので自分の気づかなかった盲点が見えてきます。
上記のように、私の怒った声と顔、そして上手く服が脱げない事で「できないよ〜!」というSOSの思いが大泣きをさせていたことに気づく事ができました。
※手書きの乱筆ですみません😓
私が梅子さんの困りごとを理解できなかったことで、泣かせていたというだけでした。
怒りっぽい私には、梅子さんのようなおっとりタイプをすぐに理解するのは、難しかったです。
しかし、言葉のない子供の内面を知るきっかけは、絶対に記録に限ると考えています。
子供の問題行動が分からない場合は、記録を取って、自分と子供の関係を見つめ直す事が重要だと思います。
問題行動を理解し解決するヒントがあると思います。
- コミュニケーションの再現は、子供と自分に起きた出来事だけを書く。
- コミュニケーションの再現を書くことで、子供の問題行動の言い分(SOS)が見えてくる。
- コミュニケーションの再現を書いたところで、子供が分からなかった場合、第三者に読んでもらう。
- 子供の言い分が分かれば、解決の糸口が見つかる。
生活記録やコミュニケーションの再現をもっと深く知りたい方は、NPO法人トモニ発達支援所に掲載されているPDFの118ページをご参考にしてください。
いくつかの事例が掲載されています。
では!🌸桜🌸