Peach blossom(家庭療育ブログ)

【家庭療育】ミニマルな環境設定と教材の色(構造化について)

🌸桜🌸です。

今回、ミニマルと発達障害について私の考察を書いていきたいと思います。

ミニマルな暮らしと発達障害って何か関係しているのですか?

🌸桜🌸

はい。
発達障害者って集中しづらい…ということがあります。
そのため、刺激の少ない環境の中でこそ力を発揮することができます。

梅子さんもかなり物を減らした部屋では居心地良く過ごしています。

昔、自閉症という障害が分かってすぐの時、集中できない発達障害の人たちは、真白の部屋に机と椅子だけ置いて課題をこなしていたそうです。
その時は、すごく違和感を感じていました。
発達障害の人がいると普通の暮らしができないのだと思っていたからでした。
しかし、2年前にミニマリストさんのYOU TUBEや書籍、SNS発信などから梅子さんにとって必要な環境だったんだと改めて分かりました。
昔から発達障害の世界では「ミニマル化」という言葉ではなく、「構造化」という言葉で物が整然としている環境は、提唱されていました。

梅子さんが小学校からJ子先生の療育センターに通うようになり、「整然と数字が並んでいる100並べを見て、美しい…」と考えている梅子さんがいました。
100まで教材を並べては、見入っている梅子さんの姿を見た時、物が整然としている環境作りは必要なのではないのか?と考えるきっかけとなりました。

ミニマリストって?

ミニマリストって何ですか?

🌸桜🌸

最小限、必要なもので暮らしている人です。

私は、ミニマリスト的な生き方とは真逆でした。
物が多いのが大好きで部屋を飾るタイプのマキシマリストでした。
「構造化」にしても「ミニマル化」にしても、受け入れ難い感じでした。
そんな私がミニマリストを知って、梅子さんに必要だ!と思って2年くらい前に一念発起しました。

ただ、部屋を片付けることは、よく分かったけれど、どんな人のことをミニマリストと言うのか、正直、よく分からなかったので上記に紹介した書籍のミニマリストしぶ君の動画を拝見しました。

最初は、部屋を見て度肝を抜かれました。笑
冷蔵庫もなんもな〜い!笑
そこには整然とした空間だけがありました。

とはいえ、全くないわけではなく、生活をするのに必要なものは揃っていて、どれもクオリティの高いものばかりでした。

 

以前、J子先生から教わった言葉を思い出しました。

発達障害者は、不器用です。
不器用だからこそ、クオリティの高い道具を使わせなさい。
ハサミ1つでも、職人が使用するような良いハサミを使わせるのです。
普通でも不器用なのに、発達障害者だから…と言って100均の切れ味の悪いハサミを使わせると、余計にハサミで切れなくなります。
発達障害があるからこそ、良いものを使用させるのです。

日常生活の中で質の高い必要なものを持っている人を指し示すのだと分かりました。
滅多に活躍しないものは削ぎ落としていき、少数精鋭で暮らす人ミニマリストと呼ぶのだと思いました。

梅子さんにとっての住環境

発達障害者にとって住環境って影響ありますか?

🌸桜🌸

はい。
コミュニケーションを取る時に影響が出てきますので、大切だと考えています。

梅子さんは、物が少なくポツン、ポツンと置いてあると、「◯◯とって。」と梅子さんに頼むとき、非常にレスポンスが良いことに気づきました。
逆に物が大量に置いてあったり、飾ってあったり、床に散乱していたりすると、どれを「とって」とお願いされているのか分からず、困ってしまうことがよくありました。
普通でも日本語の聞き取りの悪さがあるのに、その上で物が大量に積まれていたり、視覚に入ってくると、もうお手上げ状態になってしまっていました。

勉強部屋も構造化では、机を段ボールで囲んだり、仕切りをしたりして、物を視界から隠して勉強に集中させるのですが、私は、そのやり方が異様に思えて腑に落ちませんでした。
しかし、ミニマリストのようなお部屋の中で梅子さんが勉強するなら、段ボールも仕切りも必要なく、普通に勉強しているだろうな…と思えました。
物をたくさん置いておくのではなく少数精鋭の部屋の中で勉強すればいいだけのことでした。
要は、重度発達障害者にとって、快適な住環境とは、全く物がない部屋でもなく、非常に物が多く雑然とした部屋でもないと言うことです。

必要なものが空間の中に1つぽつんとある状態なんだと思います。

Apple社のリンゴの絵のような状態ですね。

マックブックの中に1つだけリンゴの絵がある…あれが、ミニマル化を象徴している物でした。
梅子さんを私のそばに呼んで、リンゴの絵を私が指差し、「これ何?」と聞いてみたところ、即答で「リンゴ」と答えていました。
例えば「ウォーリーを探せ」のような絵本の中のりんごを指さしたとしても、梅子さんは、「分かりません。教えてください」と訴えます。

梅子さんが考える整然とした美と分かりやすさ

発達障害の子供ってどんなものを喜ぶのでしょうか?

🌸桜🌸

整然とした並びのものを好みます。

発達障害者の教材って、どれも綺麗で発色の濃い色で成り立っています。
原色です。
赤だったり、緑だったり、青だったり、黄色だったり…

J子先生は、そんな教材を非常に嫌っていました。

発達障害の子供が使う教材を原色にすれば、子供は意識を取られて集中できなくなります。
赤い色の教材を使うと、赤い色に目が奪われてしまい、覚えたいことが頭に入っていかない。

そのため、教材の色は、気をつけていました。

要は、落ち着いた色で統一すること。

例えば、数概念の勉強を梅子さんに教えるとき、まだ、「1」という数字に物が「1個」あるという意味が分からない時分、木の小さいブロックを使用しました。
カラフルなおはじきなどは、使用しませんでした。
木の色…少し薄い茶色?という感じの色味の教材を使用することで、色に惑わされることなく、数の世界について絞って教えました。
木の色は、桂離宮の茶室の壁の色にも似ていると言われています。

梅子さんの教材で台紙にする教材(100並べの盤など)は、木の色に近い色をあえて使うように工夫していました。

梅子さんは、順番に並んでいる物が好きで、洗剤などを勝手に持ち出しては、雑然と並べていました。
100並べなどを始めてから、プラスチック製品を並べることをやめてしまいました。
順番通りに整然と並んでいるものを自分で100まで作り上げてから、俯瞰して見ることが気持ちよかったからです。
勝手に洗剤などを持ち出してくることが多かったので、正直、困っていたのですが、美しいものを見ることで、問題行動は、消滅していったようでした。

物が少ないと言うことは、茶室のように、花器にたった1輪の花だけがいけてある世界…自然と目がいくことができます。
どこに何がある…なんて口で説明しなくても、分かりやすい世界です。
整然とした美と分かりやすい世界を重度発達障害者は、好んでいる…と言うのがJ子先生や梅子さんから教わりました。

どうやって物を減らせばいいのか分からない!と言う場合は、たくさんのミニマリストさんが動画をアップされているので、勉強しながら住環境を整えていくことを目指してみてはいかがでしょうか?

【地震対策】
ミニマルな住環境に整える恩恵の1つに地震対策に強くなる…というのがあります。
物の数が少なく、頭の上以上に置き物がなければ、0ではありませんが、怪我をする可能性が下がります。
地震大国日本ですので、ミニマルな住環境をお勧めします。
【家庭療育】発達障害と災害対策
🌸桜🌸です。 今回、発達障害者と災害について書いていきたいと思います。 発達障害の子供を連れて被災した場合、どうなるのでしょうか? 🌸桜🌸 福祉避難の開設には時間がかかるようです。一般的な避難所暮らしもかなり難しいので、結局は、家に帰ったり...
  • 発達障害者と暮らすために住環境は整えていく
  • 発達障害者は、整然とした並びを好む
  • 部屋に物が少ないと「◯◯とって」と言われても理解しやすい
  • 刺激が少ないことで落ち着いて暮らせる
  • 発達障害者の教材に関して、落ち着いた色を取り入れる
  • 発色が強いと教材の色ばかり見てしまい、教えたいことに辿り着かない

では!🌸桜🌸

成人になった重度発達障害者の梅子さんと一緒に課題学習を通して、心を育てる療育を実践してきた。ヘレンケラーとサリバン先生のような指示の通る関係の構築に尽力してきた。療育は、新居浜にあるトモ二療育センターで9年間勉強。現在、梅子さんは、地元の通所施設で毎日働いている。
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