🌸桜🌸です。
今回は、梅子さんに漢字を書く練習をどのようにさせたか。
そして、折り紙のツル、筆算式、ノリの練習について書いていきたいと思います。
まずは、漢字の練習ですが、そもそも平仮名や数字と違って、漢字って、いろいろな部品の組み合わせなんですよね。
読める読めないとか以前に、組み合わせの連続なので、読めなくても、書けてしまうのが漢字なんです。
なので、漢字を書くということは、療育最初の頃に教えた平仮名や数字よりもはるかに楽でした。
発達障害の梅子さんは、読めなくても、見本を見たら介助なしで筆順も正しく書けたというのが正直な所でした。
また、漢字に曲線が非常に少ないという事があり、発達障害の梅子さんにとって、書きやすかったのも大きな原因の1つだと思います。
ただ書けるけれど、読めないという事があります。
そんな時は、本読みで読めるように教えていきました。
とはいえ、梅子さんが知っている漢字は、少し偏っていました。
なぜなら、学年にそった漢字は、支援学校の先生方に任せていました。
私が教えていた漢字は、生活に密着した漢字ばかりでした。
例えば、名前とか、地名などは全て漢字で教えました。
そして、家で課題学習に取り組む時は、スケジュールは、梅子さんが分からなくても、漢字にして見せながら、1つ1つ終わったら消していきました。
漢字は、分からなくても見せ続けるものであり、分かってから教えるものではないというのが、漢字でした。
次に折り紙のつるですが、以前の記事で、折り紙のやっこさんについて書きました。
同じ要領で、梅子さんの後ろから手を介助し、ツルを折らせていきました。
正直、重度自閉症の子供につるなんて、無茶では?と思っていたのですが、これって親の私が1つの錯覚に陥っている状態でした。
発達障害があるから→鶴は折れない
健常児だから→つるは折れる
このような考えは、親の思考を無駄に狭くするだけでした。
そもそもなんで、重度自閉症の子供につるなんか折らせるの?という事ですが、基本的に発達障害のお子さんは、不器用な子供が多いです。
指の1本1本の使い方までうまく動かせない状態です。
そのためにも指先を動かす練習が必要になってきます。
特に複雑になればなるほど、上手くできなくなります。
まずは、折り紙などで手先をみがく練習が必要という事で始めました。
そして、梅子さんの小学校編 8からの引き続き課題学習で横書きの計算式の後は、筆算式を教えました。
筆算式は、横を縦にしたものですが、梅子さんは、横であろうと縦であろうと式は式という感じですんなり受け入れてくれました。
しかし、本当の困難は、ここからでした。笑
桁の意味がわかっていない上に、繰り上がりなら3つの数を足す場面も出てきて、計算できないという自体が起こりました。
また、0の足し算に関しても、非常に難しかったです。
0というのは、本来、見えないものをさしますが、梅子さんは発達障害ゆえに「見えないもの」という事が分かりません。
見えないものに反応させるという思考がないのです。
世界の全てが見えるもので作られていると思っている梅子さんに、0の概念を教える事がいかに難しいかを嫌というほど思い知らされた🌸桜🌸でした。
最後は、ノリの練習なのですが、梅子さんは工作などをする前に、実は料理などで手がベタベタする経験をさせていました。
ハンバーグの種を混ぜる作業だったり、餃子の種を混ぜる作業だったり。
そうやって食べるものでベタベタ感になれてもらった上で、ノリの作業にも取り組んでもらいました。
もちろん完璧に慣れたわけではないので、ノリの工作の時には、隣に濡れたタオルを置いて、すぐに手が吹けるようにしました。
すると、梅子さんは、工作ではたっぷりとノリをつけてしまい、作品がノリでコーティングされてしまうくらい酷いものになりました。
要は、適量が分からない…という事が発覚しました。
こうやって何かを取り組むごとに、梅子さんがどこが分からないとしているのかが可視化されてくるので、課題に取り組むということが発達障害の子供には非常に必要な事だと思いました。
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漢字を書く練習
梅子さんは、以前ブログに書いたように漢字の名前の練習の時と同じように大きな自由帳にクレヨンで何度も何度もなぞり書きをして教えていましたが、平仮名、カタカナ、数字などが一人で書けるようになると、漢字も小学校で使用する8マスノートから練習できるようになりました。
しかし、梅子さんには、最終、大学ノートの罫線におさめてもらうくらいの文字に落ち着かせたかったので、小さく書く練習を目指しました。
また、生活に必要とする漢字は、学年に関係なく積極的に教えました。
バス停に使われる地名などは、特に力を入れました。
そのような中、J子先生から写経についてお話があり、梅子さんになぞりではありますが、筆ペンで写経をさせる事にしました。
写経をする事で、教えていないのに筆順が正しかったり、難しいと思われる感じでも平気で書いたりして漢字なれができました。
写経は、本当にお勧めです。
折り紙(つる)
梅子さんは、1番最初の三角におるのが非常に苦手でしたので、四角におる始め方で教えました。
指先に力を入れる事がわからなかった梅子さんですが、全介助で折っていくうちに、次第に指先に力を入れておる事ができるようになりました。
以下の画像は、梅子さんが最近、千代紙で折ってくれたつるです。
千代紙は、折り紙と違って、紙の反発力が強いので、よく丁寧に折ってくれたなあと思いながら関心していました。(親バカ?笑)
筆算式(足し算)
J子先生が最初に教えてくださった筆算式は、方眼ノートに筆算を書いて計算していくオーソドックスな書き方でした。
しかし、発達障害の方で足し算であっても桁によって、足したり、引いたりして、上手く計算が出来ない方がいたので、きちんと桁も構造化して計算に取り組めるような方法を教えてくださいました。
上記のようにポストイットをそれぞれの桁に貼り合わせておいてから、下記の画像のように式を書き込んでいきました。
例 5+4
上記のようにピンクのポストイットは、一の位、青のポストイットは十の位、黄色のポストイットは百の位、緑のポストイットは千の位というように位ごとに構造化して計算させていく事で、どの位も全て足し算であるということを伝えていきました。
例 48+9
上記の計算の場合、一の位で答えは、17となるので、青のポストイットに「1」の数字を書き、次にピンクのポストイットに「7」を書きました。
そして、十の位の4と1を計算して足すということをしていきました。
例 48+27
上記のような式の場合、青のポストイットの十の位で「4+2+1」をしなければなりませんでした。
梅子さんの難関、3つの数の計算がよくわからなかったので、教える事に最初大変でした。
そこで私は、梅子さんに先に4+2を計算させ、答えを青のポストイットのかろうじて隅っこに「6」と書かせ、その6と残りの1を足すようにさせた所、ようやく3つの数の足し算が出来るようになりました。
ノリの練習
上記のノリは、先が非常に細くでる特徴のノリで、非常に使いやすいのですが、梅子さんは、出しながら、スライドさせるという事が非常に難しく、同じ位置でノリを出し続けてしまいました。
その事で、まずは、ノリの本体を少し押さえつつ、横にスライドさせるという練習から始めました。
また、小さいドットのように出すやり方も別の紙に練習しました。
今は、このノリでスライドさせながら、ノリを出すという事が出来るようになりました。
このように力の加減が分かりづらいのも発達障害のお子さんにはよく見られます。
今回の課題では、1つ1つ丁寧に分解して、その1つ1つの行動だけ練習し、最終的につなげていくという作業をしながら教えていきました。
J子先生は、いつも私に「行き届いた学習をしない限り、子供には教えたい事が行き届かない」と教えてくださってました。
大雑把な教え方で分かるだろうでは、わからない梅子さん。
丁寧な向き合い方でないと導けない…それが発達障害者の療育なんだと思います。
では!🌸桜🌸