🌸桜🌸です。
今回は、課題学習から少し離れて、身辺自立についてお話ししたいと思います。
梅子さんは、小学校に入学しても引き続き、身辺自立に取り組んでいました。
トイレに行きたい時は、「トイレ」と訴えてくれるので助かるようになったのですが、後始末が上手くできず、まだまだ人の手を介在する状態でした。
特に私が心配していたのは、梅子さんが思春期に入って生理が始まるまでに、少なくとも後始末は、自分で出来るようになってほしいと言う思いが強かったです。
そのためにも身辺自立の完成は、早急な問題でもありました。
しかし、後から思えば、トイレの問題は、後始末だけでなく、他にもありました。
それは、家や学校以外にも外出先のトイレの問題に対応するために教えなければいけない事が山のようにありました。
とりあえずザックリと女性用のトイレで列挙してみると…
- 外出先なら、男性用・女性用のトイレの見分けがつくか?
- トイレのドアをノックできるか?
- トイレに入って鍵をかけれるか?
- カバンを持っていた場合、トイレにある付属のカバン掛けにカバンを掛けられるか?
- 和式トイレ・洋式トイレの両方使えるか?
- 和式トイレなら、屈んでできるか?
- 洋式トイレなら、座ってできるか?
- 用を足した後、トイレットペーパーを適切な長さで巻き取れるか?
- 巻き取ったトイレットペーパーで綺麗に拭き取れるか?
- トイレの中にトイレットペーパーを捨てて、水で流せるか?
- トイレが終わった後、手を洗えるか?
- 洗った手をハンカチなどで水気を拭き取れるか?
少なくても12項目はあります。
その上、思春期がきたら、生理の後始末が増えるので項目がまた追加されます。😓
その1つ1つを教えていかなければいけないのです。
教えていかないと出来ない梅子さん。😓
そのため、小学校入学と同時にまず、力を入れたのが、「トイレットペーパーの練習」と「トイレットペーパーで汚れを拭き取る練習」でした。
この2項目は、課題学習で教えられるレベルでしたので、学習時間に組み込みました。
ドアの鍵については、あらゆるトイレのドアの鍵があり、外出先や学校、家で教えました。
ここは、経験を積むしかないかと思います。
私と一緒にトイレに入り、梅子さんに鍵をかけさせ、トイレが終わり、出る時も梅子さんに鍵を開けさせるようにしました。
梅子さんがカバンも持っている場合、トイレの付属のカバン掛けに鞄を掛けられるよう練習させました。
お子さんによっては、外出先のトイレの床に鞄を置いてしまう方がいらっしゃるのでそこは、小学校からプライベート鞄を持たせて、必ず、トイレのカバンかけにかけるよう指導されると良いかと思います。
私の家は、洋式トイレなので、洋式トイレは、比較的教えやすかったのですが、和式トイレを教える事が困難でした。
しかし、療育センター時代、幼稚園と並行通園になり、先生に頼んで、幼稚園にある和式トイレを利用し、練習を積み、出来るようになりました。
やはり練習あるのみなのだと思いました。
水を流す事と手を洗う事は、梅子さんはすぐに出来ました。
しかし、ハンカチを持っていない事が多かったので、必ず外出先では、鞄とハンカチを用意させて、手をふくよう練習させました。
課題学習時間に教えられる事と、外出先で教えられることに分けて考えていかなければいけないのがトイレの課題という事でした。
そして、歯磨きの練習ですが、やはり虫歯にさせないことを目標に歯医者さんからいただいた写真カードを利用して、歯磨きをさせていきました。
しかし、正直な所、不十分な部分もあって、結局、磨き残りがあり、仕上げ磨きが必要になってきます。
そのことをJ子先生は、「仕上げ磨きと行って、子供が磨いた後に親が磨きますが、子供の立場からすれば、せっかくやっても、無意味に思えてくるだろうし、親も子供が磨き終わるまで待たなければいけません。だったら、親が先に仕上げ磨きをやってから、子供に歯磨きをさせた方が良いです。そうすれば、子供の磨き残りを責めることもなく、親も気兼ねなく見守れます。」と教えてくださいました。
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その事から、私は、電動歯ブラシの小さなヘッドを使って、先に仕上げ磨きをした後、梅子さんは、絵カードを見ながら自分で一生懸命、歯磨きをしています。
そういうスタイルで歯磨きをしてきたので、いまだに梅子さんに虫歯はありません。☺️
仕上げ磨きという言葉にごまかされず、順番を逆にして、ストレスフリーの歯磨きライフ、いかがでしょうか?笑
ご参考までに梅子さんに使っている仕上げ磨きの電動歯ブラシを貼り付けておきますね。
下記の画像のヘッドだと1本1本丁寧に磨けるので、助かっています。
トイレットペーパーを適量で切る練習
トイレットペーパーの適量の長さというのが、発達障害の人には、非常に難しいとは先輩方や学校の先生方から聞いていました。
支援学校によってっは、構造化によって、適量の長さをはかる物差しのようなものをトイレの個室に設置してある所もあります。
一見、発達障害のお子さんには、親切に見える構造家ではありますが、このやり方は、弱点もあります。
トイレの環境が変われば?
物差しがないと途端に適量を出すこともできなくなります。
また、トイレットペーパーを切ることも難しいお子さんもいます。
梅子さんは、重度発達障害ゆえにどちらも当てはまるだろうと私は考えていました。
その事で、主人にお願いし、大きめのコルクボードとトイレットペーパーホルダーを購入し、コルクボードに設置してもらいました。
そのトイレットペーパーホルダーを設置したコルクボードを梅子さんの勉強部屋の壁に設置し、そこに椅子と床に籠を置いて、梅子さんを椅子に座らせて、トイレットペーパーを手に3まで数えながら巻きつける練習をしました。
巻きとることも非常に難しかった梅子さんでしたので、最初は、後ろから梅子さんの手を持って、一緒に全介助しながら、「1、2、3」と声を私が掛けながら巻き付けました。
そして、片手でトイレットペーパーホルダーの蓋を押さえて、巻きついたトイレットペーパーを横にスライドさせるような形で切り離す…という練習を10回ほど毎日、毎日、繰り返して教えました。
この課題は、現場のトイレで教えるというのが不可能だということを示しています。
あくまでも課題にして、部屋で勉強した上で、最終、現場のトイレでできるようにするのが目標でした。
そうすることで、梅子さんは、トイレで指導されると嫌になる事がなくなり、すんなり受け入れてもらえました。
今では、正直、私より丁寧にトイレットペーパーを扱える人になりました。笑
ある意味、上達すれば本当に達人クラスにまで辿り着くんだなあ…と思います。
トイレットペーパーで汚れを拭き取る練習
次に、上記で練習したトイレットペーパーで後始末をするのですが、問題は、便の汚れを拭き取る作業が難航しました。
先輩方からもお尻が綺麗に拭き取れない…と聞いていたので、梅子さんにやらせてみて、納得できました。
梅子さんからしたら、お尻が見えないのでお尻のどこを拭けばいいのか分からないのと、凸凹になった隙間を綺麗に拭き取るという事が手先の不器用な梅子さんにとって、非常に難しいという事が相まって、上手くできずにいました。
そこで、工程をわけ、まずは、トイレットペーパーで机に出したケッチャップの汚れを拭き取らせてみることにしました。
すると、拭き取るという行動ができずに、ただケチャップを広げるばかりでした。
ここに1つ拭き取れなかった原因がありました。
平面でこの状態なら、凸凹の隙間など、なお無理だということでした。
そこで、梅子さんに机の上に落としたケッチャップをリズムよく拭き取る練習とトイレットペーパーを持ったまま、汚れを摘み出す練習を1日10回ずつしました。
そして、次にいらなくなった本や雑誌の隙間にケチャップを落とし、それをトイレットペーパーで拭き取る練習をしました。
その事で隙間の汚れを拭き取るための指の動きを教えました。
次に、目に見えない箇所のお尻の部分を手で触らせる練習をお風呂で練習しました。
湯船に入る前にあらかじめ用意した数枚ほどの薄い布巾でお尻を拭く練習をしました。
その事で、お尻のどの部分を拭けばいいのか梅子さんに次第に入っていきました。
その練習を組み合わせて、最終、トイレで介助しながら教えた所、出来るようになってきました。
歯磨きの練習
歯磨きは、上記にも記載したように先に仕上げ磨きをした後、梅子さんにその後、自分で磨いてもらいました。
その時、歯医者さんからいただいた絵カードを使用しているのですが、梅子さんは重度ゆえに、絵を見ただけで動きまで理解するのは、不可能でした。
絵カードさえもまずは私が梅子さんの手を持って介助しながら、絵と実際の歯の位置を確認させながら、磨いていくことを教えました。
絵を見せてすぐに理解する発達障害の方もいらっしゃるかと思いますが、そうでない梅子さんタイプもいるかと思います。
その都度、絵や画像の意味を介助しながら教えてやる事で、徐々に理解していくので、諦めずに取り組んで行く事が大切なのだと思います。
では!🌸桜🌸