Peach blossom(家庭療育ブログ)

梅子さんの小学校編 12(マトリックス、モンテッソリー、パズル)

🌸桜🌸です。

今回は、梅子さんの課題の中でも小学校低学年で取り組んだ課題について書いていきたいと思います。

今回は、学習を始める前に梅子さんに「概念」と「感覚」という部分を磨くために取り組んだ課題です。

まずは、「概念」ですが、マトリックスという映画の題名みたいな課題を紹介します。

この概念は、縦と横の関係性を教えるために取り組んだ課題です。

この縦と横の関係性は、月ごとのカレンダーの仕組みを覚えていくのに非常に重要な役割を果たしています。

また、他にも、掛け算をタイルで教えていく上で役に立ちました。

そして、箱作りにおいても面積を測る上で必要な力となってきます。

その縦と横には、密接に関係があることを梅子さんに伝えるために取り組みました。

梅子さんは、このマトリックスの考え方は好きなようで、中学生くらいになって教えたカレンダーの読み方は、すんなり入りました。

もちろん100並べのタイル並べもマトリックスの考え方でしたので、実生活で必要なカレンダーの理屈は、本当に理解が早かったです。

そして、お金の支払いに必要な掛け算の力もタイルという形で理解し、支払いにおいて少し上の金額で払う事が出来るようになった力です。

ちょうどの金額で支払う力も必要ですが、ほんの少しの金額で支払える力は、次第に彼女を分からない世界から分かる世界に導けたので、マトリックスの基本の考え方は、早期療育において、かかせない課題だと思います。

そして、次にモンテッソリーの教材を使って「感覚」を磨く練習をしました。

この感覚を磨くという練習は、後に大人になって丁寧な仕事をこなす上で必要になってくる力です。

そして、感覚を磨くことで丁寧な仕事の仕上げの他に、気付きという力もつけてくれます。

この気づきの力は、学習において必要な力となります。

気づきの連続で、問題の勘所も磨かれていくので、必ず身につけておきたい力だと思います。

梅子さんは、カチッと入る感覚というものが意外に好きだと取り組んで分かりました。

しかし、上手くいかない時は、案の定、お決まりの大泣きで怒っていました。

そんな時、彼女の後ろに回って彼女の手を取って全介助でカチッという感覚を何度も何度も味合わせて、教えていきました。

しかし、ここを教えていく事で梅子さんが几帳面になっていったとも言えるかも知れません。

最後にパズルですが、もちろん、普通の幼児用の教材パズルもしたのですが、今回は、知能検査で使っている長方形のパズルについて書いていきたいと思います。

このパズルができることで、知能検査における「3歳の壁」を超えていける事が出来ます。

ここでも縦と横の微妙な長さの違いについて気付けるかどうかの感覚を磨くためにも必要な課題となります。

梅子さんは、この課題は、非常に苦手にしていました。

なぜ上手く絵が作れないのか、各ピースをどのようにしておけばいいのかさっぱりわからない様子でした。

1つ1つのピースを手に持ったまま、無理やり枠の中に入れようとして上手くいかないの連続でした。

そんな梅子さんの手を取って、1つ1つのピースの位置を回転させることを教えたり、見本の絵を見せて、少しでも分かりやすくしてみたりしました。

しかし、すぐに理解できず、必死で長さの合わないピースをねじ込もうとする梅子さんがいました。

今思い返せば、この困っている時点で梅子さんに「分かりません。教えてください」の言葉をカードにして、机の上に置いておけば良かったと後悔しています。

そうすれば、もっと早い段階で梅子さんが困った時、「分かりません。教えてください。」が使えたのにと反省しています。

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マトリックス

マトリックスの教材は、私は、手作りで作りました。

縦が「形」を現し、横が「色」を現しています。

そして、最初に縦の白い形と横の色カードを置いておき、それから各ピースを1枚ずつ子供の前に提示して、正しい場所に置いていくことをさせました。

提示と言っても、いきなり置くのは梅子さんには難しかったので、いくつかのピースをヒントとしておいておき、そこから間を埋めていくというやり方を取りました。

それにも慣れたら、間を埋めることをやめて、縦と横の形と色だけのピースから考えておくようにしていきました。

梅子さんは、それぞれの関係性が見えてくる頃には、分かりやすい課題を嬉しそうに考えながら取り組んでいきました。

モンテッソリー

梅子さんは、この上記の教材で感覚を磨くということを初めて知りました。

特に広さと深さの違いの教材は、梅子さんに取って、不思議で仕方なかったようで、必死でJ子先生の前で考えていたのを今でも覚えています。

しかし、当時、この教材を私がネットで見つける事が出来なかったので、もっと簡単な教材で感覚を磨く練習をしました。

この上記の画像のコップ重ねの教材でカチッという感覚を身につけていきました。

最初、梅子さんは、大きさがチグハグで上手くいかないことにも気づかない様子でした。

しかし、その時は、無言で合わないコップを取って、もう一度考えさせるようにしながら、次第に「カチッと合う」という感覚を身につけていきました。

それを繰り返す事で、自分1人で大から小に向かって綺麗に積んでいけるようになりました。

少し余談となりますが、このモンテッソリー教育は、非常に大切なことを教えてくれる教育なので、ご参考になる動画を貼り付けておきますね。😙

パズル

上記にも書きましたが、3歳の壁を超えるべく、梅子さんに教えたのは、牛の長方形のパズルでした。

このパズルは、私がA4の用紙に印刷して、6頭分にした段ボールに貼り付けた手作りです。

もちろん、パズルがカチッと入るように、枠も手作りしました。

この1ピースのパズルの縦と横の長さが違うので、この違いを梅子さんが理解するのに苦労しました。

梅子さんからすれば、パズルを回転させたり、絵を見ただけで部位がわかるというのも難関でした。

そして何より、もっと根本的な事が分からない事が発覚しました。

牛って何?

という事を知りませんでした。

このパズルを課題でしながら、牛を見に行ったりしました。

本物の牛を見たときの梅子さんの反応は、すごく怖がって逃げようとしていました。笑

パズルで知っている牛は、A4サイズくらいしかないのに、本物の牛は、むちゃくちゃでっかいのでびっくりしていました。

このように重度発達障害の梅子さんも経験から、パズルの牛と本物の牛と「牛」という言葉で、点の情報が1本の線で繋がっていきました。

バラバラの情報を1つにまとめていくことも早期療育において重要なことだと知りました。

では!🌸桜🌸

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