Peach blossom(家庭療育ブログ)

梅子さんの小学校編 3(10までの足算・料理・時計)

🌸桜🌸です。

梅子さんの小学校編1に引き続き、今回は、小学校の時に家庭で教えた事について書いていきたいと思います。

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1から10までの足し算

梅子さんが小学校低学年から取り組んだ課題の1つに1から10までの足し算式に取り組みました。

J子先生から足し算九九と教えて頂きました。

この表を理解するまでに、梅子さんは、何度も足す数のタイルと足される数のタイルを貼り合わせては、表のように並べていき、足すという事を学んでいきました。

この表のおかげで梅子さんは、「見本をみて、真似して同じものを作る」という作業を学ぶことが出来ました。

この表を理解するもう1つの要因は、「足し算九九」というだけあって、九九形式で音声にして入れていきました。

梅子さんは、重度自閉症なので、言葉の理解が追いついていません。

しかし、意味よりも先に歌で暗記することで、表の示していることがすんなり暗記で入っていきました。

読み方は「1と1は、2」「2と1は、3」という風に「➕」を「たす」と読まずに、「と」という発音に変えて何度も何度も繰り返し、オウム返しで教えていきました。

また、車の中や、他の用事をしている時でも、私が「1と1は?」と梅子さんに聞くと、梅子さんが「2」という感じで掛け合いも通して教えていきました。

コミュニケーションは、上手くとれない梅子さんでも、こんなときは、やりとりみたいな感じで嬉しくなっていました。

ちなみに上記の足し算九九の中にある「0」の足し算の部分は、私がオリジナルで付け加えたものです。

それが、後に梅子さんにとって、大きな影響を与える「0」という世界でもありましたので、のちに付け加えさせていただきました。

他にも繰り上がりの足し算、10までの引き算、繰り下がりの引き算などがありますが、後日、アップしていけたらと思います。

料理

梅子さんが初めて料理というか自分で作れるようになったのは、ご飯を炊くという事でした。

最初は、数概念が入っていなかったので、全介助でお米をはかり、梅子さんの手を介助しながら、洗米ボウルで一緒に洗うという事をしていました。

もちろん、お米を炊くレシピも手作りで私が画像で作り、順番に画像をみながら作っていきました。

大人になった今は、数概念は、入っているので、その日、その日によって、お米の量が違っても、伝えた通り、お米をはかり、洗って、水も計量カップできちんと測ってくれます。

お米が炊けるだけでも、本当に、私にとって、すごく助かります。

また、梅子さんにとっても、家の用事ができることは、決して、辛い事ではなく、家族の中に居場所があるということなので、早期療育の大切さというものがのちに大きく影響してくるかなと思いました。

後、J子先生から紹介していただいた本もご参考になればと思い、貼り付けておきます。

梅子さんは、その後、カレーや味噌汁、お好み焼き、餃子などを作れるようになりました。

重度自閉症の子供に包丁を持たせ、火を使わせる大切さを料理に取り組んで知りました。

また、J子先生は、料理は、科学…とよく教えてくださいました。

火を通すことで食材の変化を知り、水を沸かすことで、沸騰を知りました。

火を使うことで、火の危険性も知りました。

料理をしなければ、梅子さんは、決して知ることがなかった科学の世界だったと思います。

以前、まだ我が家が、ガスを使っていたとき、梅子さんは、怖がりなところもあり、油をあげる料理の時、熱々の油の上空から衣のついた食材を投げ入れ、跳ね返った油で痛い思いをしました。

そのことで、熱い!をしり、火をつけるときは、一旦、強火にしても、即弱火に切り替えて、超弱火でお鍋の水を沸かそうとしていました。😙

また、火を弱火や強火に切り替えるとき、火の具合を覗くという体の動きができず、全介助で頭を下げて、覗くという事を教えました。

料理の時も体を使うことが難しい梅子さんをみて、認知の障害だな…と思いながら、納得しました。

何か、発達障害の子供と取り組みときは、必ず、発見があるので、親と一緒に取り組む必要性を改めて感じることのできる課題、それが料理でもありました。

アナログ時計を読む

梅子さんの最大の天敵、時計の課題を始めたのは、確か小学校4年生あたりだったと記憶しております。

私が1番力を入れた課題の1つでもありました。

時計のおかげで梅子さんは、あらゆる場所で固まり、動けなくなってしまい、周りの先生方を非常に困らせていました。

当然、家族も困っていたので、本気で獲得させる!と私も意気込んだ課題でした。

ただ、時計の課題の前に必ず獲得しておかなければならない力「1から100」の数の概念でした。

その力無くして、時計を知ることは出来ませんでした。

なぜなら、長針は1から60の目盛りで成り立っているので、必ず、時計の課題の前に子供に理解させておく必要があります。

梅子さんは小学1年から1から100並べを練習していたので、長針の1目盛りずつを数えていくのは、難なく出来ました。

梅子さんに「今、何時?」と聞いたら、「○○時」と答えてくれるまでになりました。

ただ、ここで問題なのは、長針が読めるようになっても、短針がどうしても間違えてしまうという課題でした。

梅子さんは、長針は、目盛りで読むものと理解しているので、短針もどうしても目盛りで読んでしまい、例えば「2時50分」を「3時50分」と間違えました。

いくら3時に近いところを短針がさしていても、まだ2時ということがどうしても理解できませんでした。

私は、そのことに中々、気付けずに、いたずらに時間だけが過ぎていきましたが、ある日、短針は、あくまでも範囲を指し示していること、そして、範囲を教えるという事から始めた上でその力を時計の短針を教える課題に持っていこうと考えました。

紙に4分割の地図のようなものを描き、果物や魚、動物、花などのカテゴリーに分け、梅子さんにカテゴリーの範囲で、印をつけ、どこに所属しているのかを聞いていきました。

カテゴリーの中では、中心に印をつける場合もあったり、境界線のギリギリに印をつけてみたりして、あくまでも、どのカテゴリーに所属するのかなどを伝えていきました。

ここでも、梅子さんは線を見る力を1から100並べの時の課題で力をつけていたので、すぐに理解し、そのカテゴリーの線の中なら、どの場所でも正解できるようになりました。

そして、今度は、時計の課題を出してきて、短針のそれぞれの範囲を指し示してやると、あっさり理解してくれました。

時計の課題に取り組んですでに3年以上経過しての事でした。

中学校に入ってから、ようやく夜の時間を24時間制で読むようになったので、その話は、また梅子さんの中学校編で書いていきたいと思います。

では!🌸桜🌸

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