🌸桜🌸です。
今まで、梅子さんと20年以上に渡り、療育を通して向き合ってきました。
発達障害児が大人になるまで療育してきた経験と梅子さんが9年間通った療育センターで教えていただいた知識から質問に答えていきたいと思います。
最近、発達障害と我が子が診断されたのですが、どうすればいいの?
まずは、療育を始めましょう。
そもそも「療育」って何ですか?
障害児に対して「治療」と「教育」を合わせた用語です。
今は、「発達支援」とも呼ばれているようです。
私も「療育」という言葉を最初、訳も分からず使っていました。
しかし、上記で「「治療」と「教育」を合わせた用語」と書きましたが、梅子さんを育てていて、この「治療」という言葉に違和感を感じました。
正直、「療育」をしていて、発達障害が完治する訳ではありません。
発達障害は、一生付き合うものです。
では、「療育」に希望がないのか…といえば、私は違うと梅子さんから教わりました。
適切に教育を行えば、障害があっても人として社会の中で暮らしていける…それが私の中の「療育」だと思っています。
私は「療育」と「教育」は、同義語だと考えています。
ただ、療育が不適切な内容だと、子供の問題行動(SOS)は解決されず、将来に渡り、ゴタゴタする関係が続きます。
発達障害の子供さんと全くコミュニケーションが取れない、子供の問題行動によってうまく生活がまわらない、子供のことが全く理解できない…などという事が起きてきます。
お子さんが幼少期であったとしても、既に親を振り回している場合などを考えると、教えるべきことを他人ではなく、親が教えていく…その方法論と療育者マインド(早期療育)を書きたいと思います。
- 「療育」とは、適切に教育を行えば、障害があっても人として暮らしていける。
- 療育をしても、発達障害は完治しない。
- 早期療育を行うことで子供に指示が通りやすく、学ぶ姿勢が身に付きやすい。
- 療育を通して、子供を理解しよう。
梅子さんが小学校2年の時から高校1年まで通った療育センターのJ子先生から教わった内容を参考にしながら、梅子さんと向き合ってきたことの記録です。
以下の「精神科医の子育て論」は、小児科医であるJ子先生の子育ての記録を別の精神科医の服部先生という方が書き記した書籍です。
私もこの本を読んで、梅子さんが思春期危機を起こさず、穏やかな成人期を迎えることを夢見てJ子先生の療育センターに通い出しました。
問題行動を超えて、親子で消化しながら、1歩ずつ歩いてきたので、この本は、療育するものにとって、希望の持てる名著です。
発達障害のお子さんを抱えて不安だと思われている方がおいでましたら、ぜひ、手にとって読んでみてください。
適切な療育をしてきた先人の知恵があります。
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【家庭療育】障害の3段階
🌸桜🌸さんは、最初、発達障害の何を知りたかったの?
私がまず最初に1番知りたかったのは、梅子さんの脳の中がどうのような機能不全を起こしているのか知りたかったですね。
梅子さんが3歳当時は、発達障害と言う名前は使われず「重度自閉症」と言う名称で呼ばれていた時代でした。
J子先生は、講義の中で「一次障害」、「二次障害」「三次障害」と言う3つの障害について教えて下さいました。
一次障害は、簡単に言えば、「脳の器質的障害」です。
どこかの神経伝達物質がうまく伝達できずにいる状態ということだと私は解釈しています。
それが1箇所なのか、2箇所なのか、いくつあるのかは、人それぞれです。
脳の部位(前頭葉なのか、側頭葉なのか、海馬付近なのか…)にもよるので、発達障害とひとくくりにいってもみんな微妙に症状が違っています。
次に二次障害ですが、簡単に言えば、一次障害の器質的障害によって引き起こされた状態を現しているのだと解釈しています。
例えば、目線が合わない(人が怖い)、言葉が喋れない(自ら獲得する言語の力が弱い)、一人遊びが得意(コミュニケーションを知らない)、指差が出来ない(意思表示の仕方がクレーン現象に特化)、親に甘えない(親を分からない)、人真似をしない(人から学ぶことを知らない)などなど、健常児と違う様子が赤ちゃんの時から顕著に現れていることを二次障害と認識しています。
そして、最後の三次障害は、この二次障害によって、親や周りからも理解されず、不適切な向き合い方から起こった問題行動を子供が現している状態です。
この3つの障害によって「生きづらさ」を生んでしまい、社会から排斥されてしまう原因になっていると考えています。
- 一次障害…神経回路が上手く繋がっていない。
- 二次障害…目線が合わない(人が怖い)
- 発語がない(自ら獲得する言語の力が弱い)、
- 一人遊びが得意(コミュニケーションを知らない)、
- 指差しが出来ない(意思表示の仕方がクレーン現象に特化)
- 親に甘えない(親を分からない)
- 人真似をしない(人から学ぶことを知らない)
- 三次障害…二次障害によって、不適切な向き合い方から起こった行動
【家庭療育】三次障害へのアプローチ
一次障害、二次障害、三次障害っていうことは分かったけれど、具体的にどうすればいいの?
二次障害への理解と三次障害へのアプローチをしていきましょう。
この3つの障害を学んだ私は、何が梅子さんにできるのだろうか?と考えました。
一次障害…正直、梅子さんの頭の中をぱかっと割って、繋がっていない部分を電気プラグのように繋げたい!と思いましたが、現実的に不可能なので諦めました。😂
有名な脳外科医でも無理ゲーなんで…笑
では、次に二次障害について考えてみました。
梅子さんが喋れない理由や物事を把握できない(人真似できない)理由など、私の目に見えて感じるところは、私が「理解をする」範疇だと考えました。
なぜ、喋れないのか、なぜ、聞き分けができないのか、なぜ、人真似しないのか、なぜ、なぜ、なぜの部分は、一次障害の影響によるものです。
ほんの少しの伝達物質不全であっても、人間が生きていく上で重要な力を失ってしまうのだと分りました。
発達障害だから、こういう子供だ!というざっくりな理解ではなく、深く理解することが、二次障害によって試されています。
三次障害についてですが、親や周りの「無理解」から派生し、問題行動による子供のSOS!だと分かります。
親が子供にしてやれること…それは、「二次障害へのアプローチ」だと考えています。
子供のSOSを理解し、適切に向き合うことで発達障害者が、他者のために喜んで働けるようになっていく…
そんな教育を子供と歩くことで、思春期に起こしやすい危機を超えて、穏やかな成人期を迎えらます。
- 療育は、二次障害にアプローチすることで、三次障害をつけない。
- 二次障害のアプローチを通して、どんな分りづらさを持っているのかを把握する。
- 療育をすることで、将来、他者のために喜んで働ける人へ成長させる。
- 三次障害は、子供からのSOS
【家庭療育】無知なる愛から知識ある愛
「無知なる愛ではなく、知識ある愛を」
どういう意味ですか?
子供の未来と可能性を信じること、重度発達障害であろうと子供にしっかり期待してやること…それが「知識ある愛」です。
「知識ある愛」
いつもJ子先生が必ず教えてくださった言葉です。
私は、この言葉の意味を最初、全く理解できなかったダメダメな親でした。
そもそも「愛」なんて目に見えないじゃん!と思っていたからでした。
そんなアホな親を諦めずに根気よく教えて下さったJ子先生には、今でも感謝しております。
無知なる愛…それは、「あれだけ嫌がっているのだから、やめてあげよう。ストレスになるから」や「障害のある子供に色々なことをさせるなんて…」や「障害のある子供なんだから、親の私がしてあげる」や「障害のある子供なんだから何もできない」。
根底に「かわいそう」や「期待していない」という思いが見え隠れしている向き合い方です。
「かわいそうで哀れな子供であり、愛すべき可愛い子供」
それが次第に子供を苦しめる結果になり、果ては家族間のトラブルにまで発展させてしまいます。
なぜ、こんな状況下の子供は、苦しむのでしょうか?
逆に立場を変えればわかることなのですが、私がこの世の誰からも、全く期待されず、相手にされずにいたら、どう思うのか…ということですよね。
なぜか周りからは、バカにされたうすら笑いだけの目線で見つめられるか、理由も分からず怒った顔や辛そうな顔の母親、家族の姿を見つめ続ける人生なんて正直耐えられないです。( ; ; )
でも、何が行けないのかも分からず、ルールを教えてもらえない状態…
そんな状態が死ぬまで続くと考えると、こんな人生、クソだと思うのです。
もし親に「知識」があれば、本人が気づかずに不適切で反社会的な行動をとったとしても、親が障害の特性に合わせて分かりやすく説明し、「あの時、本当は、こうすればよかったのよ。」と真剣に教えてくれていたら…
尊敬する親の言うことは、聞かなくちゃ…と考え、次回からは適切に行動していくことができます。
梅子さんは、不適切な状況を何度も、何度も超えてきましたし、これからも、私がそばにいる限り、一緒に超えていきます。
この「適切なことを教える」と言うのは、「知識ある愛」が必要なのだと思います。
子供の未来と可能性を信じること、重度発達障害であろうと子供にしっかり期待してやること…それが「知識ある愛」なのだと今は、考えています。
- 障害を諦めずに子供の可能性を信じ切ること
- かわいそうや障害のある子だから…は、子供を将来、苦しめる結果になる
- 障害特性を知り、適切に関われば、子供が変わる。
次回は、「知識ある愛」と「無知なる愛」について、私なりに考えた答えと梅子さんから教わったことを書いていきたいと思います。
では!🌸桜🌸