🌸桜🌸です。
前回、山登り、マラソン、歩く事について書いてきました。
多分、この療育4を読まれた方で、こんなハードルの高い?ことは、無理!と思われた方もいたかも知れません。
しかし、この療育4を継続的に行うことで子供は、親をリーダーと認めてきます。
自分の後ろを追いかけてきてくれるおつき(すみません 汗)の母親や父親ポジションからこの人についていこう!と思える「信頼のおけるリーダー」として認めてもらいやすくなります。
子供は、ただ愛情をかけてくれている親も、もちろん大好きです。
子供から直接、甘えることはなくても、ありのままを受け入れてくれてワガママを言える親が大好きなんですね。
しかし、親は、このままでは子供が思春期を迎える少し前から、問題行動の前になすすべもなく、次第に力が親を超えるようになってくると子供の機嫌をとり、怯える毎日を送る事になりかねません。
愛情をかけるだけでは、限界がくるのだと思います
本当に必要なのは愛情ではなく「愛」だと私は思います。
それも「無知なる愛」ではなく、「知識ある愛」です。
この「無知なる愛」と「知識ある愛」については、療育2で書かせていただいたので、よかったらご参考になさってください。
さて、今回、算数のお話をしたいと思うのですが、以前、J子先生が療育センターに来ていた先輩の母親の質問に対して答えたやり取りをここでご紹介したいと思います。
その母親のお子さんは、女の子で異常なほどの敏感さを持っていました。
夏に汗をかいて、頭の中を一筋、汗が流れるだけでも、大パニックを起こし、いつも何かしらが原因で激しい癇癪を起こしていた問題行動の女の子だったと聞いています。
娘に言葉を教えたいのですが、どうすればいいですか?
山を登ってください。
もはや、禅問答。笑
でも、今なら、その意味は、痛いほど分かります。
正直、そこまで激しい問題行動のある子供さんに勉強を教える段階になっていない…と私は思います。
勉強を教わる姿勢を作るためにもまずは、親子で山に登って、毎日、マラソンをしないと人から学ぶ姿勢さえ出来ないと思います。
課題学習のスタートラインは、もっとはるか後方にある…と思います。
とはいえ、その山登りやマラソンだけ取り組んでいても、学びが全く入っていかないのも事実です。
そこでJ子先生は、「並列指導」という事を教えてくださいました。
山登り、マラソンをしながら、同時に読み、書き、数の知識と計算、料理を同時進行で行ってください…とアドバイスを頂きました。
文字が書けるようになってから数を教えよう!と考えていたなら、文字がいつ書けるようになるのか分からないのに、いつまでたっても、数を教えることができません。
文字がいつ書けるようになるか分からないから、いっそ同時進行で教えていきます。
マラソンと山登りをさせながら、同時に読み、書き、数の知識と計算、料理をさせていく事をお勧めします。
その「読み、書き、数の知識、計算、料理」の5項目のうち、早急に取り組んで欲しいのが「数の知識」いわゆるアラビア数字の1〜100並べです。
数の知識では、他にもタイル並べもあるのですが、それは、後日に書いていきたいと思います。
今回は、アラビア数字の1〜100並べについて、どうして教えた方がいいのか、教え方が分りません…と言う方について書いていきたいと思います。
数字は、文字で表すので、完全な視覚化ができています。
その点、会話は、目に見えないので、重度発達障害児には、すごく難しいです。
目に見えるものに意味とルールが入っていくことで数の世界がすごく面白いものになるということが子供に伝わります。
ルールが分かりづらい子供にとって、はじめて「ルール」と言うものを知る課題です。
ぜひ、教えてあげてください。
- マラソン、歩き、山登りをしながら、同時並行で課題学習をすすめていく。
- 子供が1つのことを獲得するのに、いつ獲得できるか分からないから同時進行で教えていく。
- 1〜100のアラビア数字を学ぼう。
- 言葉より、算数の方が明確で視覚化しやすい。
- ルールを知らない子供が初めて、「ルール」と言う存在に気付ける課題が100並べ。
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【家庭療育】言葉じゃなく、なぜ算数の知識から?
言葉が出ないし、コミュニケーションも取れないから言葉を教えて欲しい。
言葉を教える前に算数から教える方が楽ですよ〜。
発達障害のお子さんって、コミュニケーションが出来ない、言葉が出ないから困ってるなどなど、「言葉」にまつわることを療育していきたいと考えてしまいます。
私もそうでした。
しゃべれないのだから、まずは、言語療法をして欲しいと願いました。
しかし、結果論から言うと、言葉を教えるより、算数から教える方がはるかに楽だという事です。
まだ人から学ぶ姿勢も出来ていないお子さんに言葉を教えるのって、正直、難しいです。
椅子に座っていられない上に、オウム返をどうにか言わせても、次また喋ってくれるとは限りません。
お気に入りのおもちゃを見せて座らせたとしても、言葉の指導にのるかどうかは、その子のその日の気分次第となり、コンスタンスに勉強をすすめていけません。
言葉は、年齢が幼い時の方がいいとは思うのですが、大きくなってからでも、それこそ成人になってからでも学べる課題です。
実際、梅子さんももうすぐ23歳になろうとしていますが、動詞の勉強をしています。
梅子さんを教えていて、正直、言葉の勉強は、ある程度、遅くても差し支えない課題だと思いました。
それよりも早急に教えないといけないのは、算数です。
どうして、言葉よりも先に算数を教えることが重要なんですか?
算数を通して指導者の指示に従う姿勢が身に付きます。
数字が見えてくることで世の中に「ルール」と言うものがあることを教えていけます。
発達障害のお子さんって、理系、文系、どっちの系統のお子さんだと思いますか?
往々にして発達障害のお子さんは「理系」が多いです。
客観的に見たら分かると思いますが、言葉が出ない時点で文系系統の障害があるとも言えます。
苦手な文系系統の課題をいきなり推し進めるよりも、まだ得意であろう理系系統の課題を与えることで、勉強がいやだ!という苦手意識から得意分野に発展させていくことができます。
ただ、いくら理系系統が得意とはいえ、教え方(スパルタ)によっては、嫌いにさせていくので、スパルタは取り入れない方が良いですね。
発達障害のお子さんのもう1つの特徴は、「ルールが分からない」というのがあります。
ここは、絶対に押さえておきたいポイントです。
この「ルール」を深ぼっていくと、どこにたどり着くと思いますか?
「遊び」です。
療育センターや放課後デイでもよく言われる障害児教育の中で「遊び」を取り入れているところがたくさんあります。
「遊び」を通して、社会性を学ぶ…、素晴らしいことだと思います。
でも、それは、健常児だけに通用する教育方針です。
残念ながら発達障害児に健常児のこのむおもちゃや遊び道具を渡しても、見向きもしないか、全くルール無視の使い方で周りを絶望させることが起こります。( ; ; )
梅子さんも幼い時、トイザらスのおもちゃをたくさん買っては、与えてみましたが、まともに遊んでくれたのは、1つもありませんでした。
梅子さんの興味があるのは、ファブリーズや台所洗剤のプラスチック容器を持ち出しては、机の上やピアノの上で並べて遊ぶ…それだけでした。
遊びは「ルール」を既に理解している健常児で通用する教育方針なんです。
「ルール」を教えることさえ難しい発達障害のお子さんは、まずは、「ルールとは、なんぞや?」という所からスタートしないと遊びにまで結びつかないのです。
ただ1つ誤解のないように言っておきますが、J子先生も遊びを全否定しているのではありませんでした。
梅子さんは、実は、ある時期、J子先生から「今こそ、遊びを教えなさい。」と「遊び」にGO!がかかった時期があります。
それが「思春期」でした。
この頃は、すごく遊びを教えました。笑
とはいえ、私は、遊びが苦手だったカラオケなどは、放課後デイの方にお願いして週1回、練習させてくださったり、支援してくださった方々に、本当に感謝しています。
他にもゲームセンターやボーリングなど「遊び」を教えました。笑
「遊び」を教えないのではなく、「遊び」を教えるにも時期があるのだということです。
ようやく本題ですが、数というのは、そもそも壮大なことがらを示しています。
私たちの生きているこの地球を含め、宇宙の法則って数字によって現されています。
文系のような情緖的な詩から成り立っているわけではありません。笑
全て、数字で支配されています。
この宇宙の法則から梅子さんは学習に取り掛かりました。
算数を学ぶことで、未来の予測がたつからです。
例えば、カレンダーです。
文章だけで書かれているカレンダーは、存在しないし、必ず数字と枠(マトリックス)が関係してきます。
文系的な曖昧な表現は理系には、存在しません。
例えば、赤という色でも、トマトのような赤を示しているのか、太陽のような赤を示しているのか、絵の具のような赤を示しているのか、血液のような赤を示しているのか…
赤でも、文系的表現だと数限りなく赤い色は、存在します。
でも、数字で示した赤い色だと、例えば「#F15B5B」という数字とアルファベットの羅列をググれば、一発でその赤色だけが検索結果にのってきます。
十人十色とは言いますが、どんな人が「#F15B5B」とググれば同じ色の赤がヒットします。
このように数字というのは、曖昧さがなく、答えが唯一無二だからです。
「唯一無二」を示す学問が算数なんです。
そこには、絶対的単一ルールがあります。
まずは、ルールの理解できていない発達障害児に「ルール」という目に見えないものを教えていける…それが「算数」なんですね。
- 言葉を教えるより、算数に取り掛かる方が教えやすい。
- 言葉というのは、曖昧な表現も多く、発達障害児には、非常に難しい。
- 算数は、宇宙の法則の基礎
- 算数を教えることで未来の予測がたつ。(時計・カレンダー)
- 目には見えない社会のルールを教えやすくなる。
【家庭療育】1から100まで順番に置かせる意味って?
それでは、1〜100のアラビア数字を順番に置いていかせるのは、何故?なのかという事について解説します。
どうして子供に1〜100を順番に置かせていくの?
「ルール」を教えていくためです。
数には、絶対的に揺るぎないルールがあります。
1の次は2、2の次は3、3の次は?…4ですね。笑
そんな私たちが当たり前じゃん!と思うことが発達障害児には、分かりません。
梅子さんみたいに発達検査でIQ30以下のような低い子供に100までなんて無謀な!とよく言われました。
虐待だ!!!と。
でも、冷静になって考えたら分かることなんですけど、要は、数字って0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の「10個」だけ覚えてしまえば、後は、パターンの組み合わせなんです。
正直、数字より平仮名の方が50の全てパターンなしで覚えなければいけないので、数字より難しいですよね。笑
その上、日本語って、カタカナもあるので、100近くの書き方、読み方を覚えなくてはいけません。
1文字、1文字、全く違う形で読み方も違いますが、数字は、ある一定の法則に従って成り立っています。
10個だけ覚えたら、後は、十の位が縦にも順番に並んでいることに気づけば、100まで覚えていくことが出来るんです。
表にして、厚紙のピースに数字書いて、順番通りに並べさせるだけの簡単な課題なんです。
最初は、3枚ずつ机の上に提示して、枠内にも薄く鉛筆で書いてある数字とマッチングしていくだけの簡単な課題です。
それでも、激しく抵抗し、嫌がって、ピースを放り投げたり、口の中に入れてしまうお子さんもいますが、所詮、素材が「紙」なんでいくらでも製造できます。笑
大泣きで、流石に順番通り100まで並べさせた時、怒っていた場合、大体は、「100回、言うことを聞いてしまって悔しい!」というのがほとんどの言い分だと思います。笑
そんなことで怒っている子供って、本当にかわいいです。笑
でも、普段の生活で100回も親の指示に従うことってそうないですよね。
100並べってすごく貴重な時間なんです。
重度発達障害の算数教材・100並べに詳しく解説していますので、ご参考にしてください。
数字盤も慣れてきた頃には、枠内に薄く書いてある鉛筆がきの数字を消して、並べて行かせることでしっかりと数が入っているかどうか分かると思います。
まずは、分かりやすくすることで嫌がらずに数字を好きになっていける環境が大切だと思います。
そして、3枚の提示の中で1枚でも、自分の手でこれかな?と動いて自主的に取った場合、「よく見えたね〜!」と心から褒めてあげることが大切です。
例え、間違えた場合は、「違うよ!」と言わずに、黙って取り除いて、もう一度、子供に考えさせたり、それでも分からない場合は、手を介助してあげて、一緒に取っては置かせて、「よく取れたね!」と褒めてあげてくださいね。
プロセス褒めを大切にしながら、子供と一緒に100まで並べていくことで、子供も安心して取り組めると思います。
- 100並べをすることで「ルール」を教えていくこと。
- 100回置くことで、1〜10の並びが入っていくこと。
- 100回置くことで、指導者の指示に従う姿勢がついてくる。
- 間違えた場合は、指摘せず、黙って取り除いて、もう一度考えさせること。
- どうしても分からない場合は、手を介助して、一緒に取って、枠内に置かせて褒めること。
- 1回1回、100までのピースを置くたび、褒めることで褒められる喜びを知る。
【家庭療育】100まで置いてから、どうするの?
内容を入力してください。100まで置いたら、どうするの?
次は、1から順番に片付けていきましょう。
100まで置いてしまうと、片付けなければいけませんね。
お子さんに順番に1から片付けてもらいます。笑
親が1の数字を指し示して、親の出した手のひらの上にピースをのせる…ということをします。
そもそも、発達障害のお子さんは、人に物を手渡しするなんて考えてもいないお子さんが大半です。
だからこそ、他者が欲する物を手渡しする…という行動を教えないと出来ません。
それが100並べだと100回は教えられます。笑
1から順番に1枚ずつ手渡しして、片付けてもらうことで、物は、人に手渡しするときもあるんだ…と知ることができます。
慣れてきた頃に、目の前に出される親の手のひらが突然、あらぬ所に出していたら、それでも、手のひらにピースをのせてくるか見てあげてください。笑
子供は、笑っているかもしれませんし、怪訝な顔をするかもしれません。笑
面白がりながら、楽しむこともできる100並べです。
梅子さんの場合は、ニヤッと笑っていました。笑
ここでも非常に大切なのは、1枚、1枚、ピースを手のひらに子供が置いてくれるたびに「ありがとう!」と私たち親が子供に声をかけることです。
当たり前といえば、当たり前なのですが、人から物を取ってもらったら、「ありがとう」と言いますよね。
「ありがとう!助かったよ!」と言われると、誰しも嬉しくなるものですよね。
その体験を100並べの片付けで分かりづらい子供に体験させてあげてください。
人に感謝し、感謝される事を教えることができるのも、この100並べの素晴らしさです。
「ありがとう!」と人から言われて、嬉しく感じることができるように心を育てていける課題なので、ぜひ、取り組んでください。
- 100まで置いたら、1から順番に片付けていこう。
- 1つのピースを子供がとったら、親の手のひらに渡すよう伝える。
- 子供は、人に物を手渡しするなどと考えたこともないので片付けながら練習しよう。
- 子供からピースを受け取るたびに「ありがとう!」や「助かった!」と声をかけて100回感謝の気持ちを伝えよう。
- 褒められることを100並べで経験させてあげよう。
【家庭療育】算数を通して褒め慣れていない子供に褒められる喜びを
100回以上も褒めるのは少し大袈裟では?
重度発達障害のお子さんは、褒められたことがほとんどないので、最初、褒められると怒ったり、怪訝な顔をするお子さんがいます。
しかし、100並べを取り組むことで、次第に褒められることは、嬉しいことと気づいてきます。そうすることで意欲的に課題に取り組んでくれます。
発達障害のお子さんは、褒められることも異常に少なく、褒められる事にも慣れていないので、他者から「ありがとう」と言われると、どうしていいのか困った顔をするお子さんもいます。
「せっかく褒めても、嬉しそうではなく、知らない顔をしている」というのも、普段から褒められ
ていないことが原因だと思います。
実際、ただの日常生活の中で発達障害の子供さんを怒ることはたくさんあっても、褒めることって年に何回あるのか?というくらい少ないです。
だからこそ100並べをして100回褒めてあげてください。
100並べは、ただの学習ではなく、勉強を通して「心を育てる」という狙いがJ子先生の教えてくださる教育です。
発達障害の子供に課題学習を通して「喜怒哀楽」を感じさせること…
この感情の揺れこそが今の時代、発達障害の人にとって必要な経験です。
しかし、遊びを通して学ぶことは、幼児期から小学校時代では、まだまだ先で、大人の仲間入りをする直前に覚えていくことですので、早期療育中は、よく学び、よく働き、そして最後によく遊ぶ…この順番で子供と療育していくことが大切なのだと思います。
- 重度発達障害児は、褒められたことがないので、キョトンとするか、怒るか、怪訝な顔をしがち。
- 褒められることで嬉しいと感じるようになり、子供の心が育っていく。
- 喜怒哀楽を感じれる課題学習をしよう。
- 重度発達障害児は、「よく学び、よく働き、よく遊ぶ」の優先順位で過ごそう。
次回は、平仮名について書いていきたいと思います。
では!🌸桜🌸