🌸桜🌸です。
「【家庭療育】1〜10のタイル並べの作り方」に引き続き、今回は、1〜10のタイル並べの教え方について解説していきます。
今回、課題学習の最初と最後に行う挨拶の仕方は、「【家庭療育】100並べの教え方と心を育てる療育」をご参考にしてください。
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【家庭療育】1〜10のタイル並べの教え方
1〜10並べの基本編
机の上に盤を置く。
- 最初は、数字ピースを置く場所に鉛筆で右隅にでも小さく数字を書いておく。
- 課題に慣れない時、子供は不安なので、少しでもヒントになるようにしておくと、子供に分かりやすい。
- 何回も課題をしていくうちに子供が慣れたら、鉛筆で書いた数字を消す。
数字のピースを3枚ずつ提示し、1から順番に上から置いていく。
- 数字のピースを3枚ずつ提示し、1から順番に上から置いていく。
- 最初、子供の後ろに回って、手をとって全介助しながら並べていく。
- 子供は、親が求めていることが分かりづらいので、基本、自発的に動けるまでは全介助で教える。
- 子供よって分かりやすい場合、提示の枚数は、加減して観察していく。
課題を始めた頃、梅子さんは、3枚提示がギリギリ限界でした。
5枚の提示になると、選ぶことができなくなり、困っていました。
課題に慣れてきた頃に5枚提示にしました。
タイルを3本ずつ提示し、1から順番に置いていく。
- 最初、子供が分かりづらい場合、タイルの提示枚数は、3本提示にし観察する。
- 数字ピース同様に、子供の後ろに回り、全介助で一緒に置いていく。
- 1から順番に上からタイルを置いてく。
- 子供によって分かりやすい場合、提示の枚数を加減し観察する。
梅子さんは、1〜10のタイル並べは、非常に苦戦しました。
1〜5のタイルは、見分けられるようになったのに、6〜10タイルになると、見分けられなくなりました。
6の枠に7や8のタイルを置いたり、8と9のタイルの見分けがつかず、いつも間違えていました。
分類とマッチング
「分類」と「マッチング」は、タイルの見分けのつかない時に非常に役立つ方法です。
タイル以外にも使える手段なので覚えておいて損はないです。
- 前もって分類させたいタイルを複数作成しておく。(例:6タイル20本・7タイル20本等)
- 分類したい数の分だけ箱(または皿)を用意し、先にタイルを1本だけ入れておく。
- 子供に1本ずつタイルを渡して、同じタイルの所にマッチングさせる。
- 子供の分類速度が上がってきたら、どんどん渡していく。
- 子供が入れ間違えた時は、黙って取り除き、もう1度渡して、分類させる。
梅子さんは、6タイル、7タイル、8タイル、9タイル、10タイルを見分けるのが苦手でした。
何度、分類とマッチングをさせても、必ず7のところに8をおいたり、10をおいたりして間違えていました。
耳からの情報も苦手な上に、視覚からの情報でも入っていかない梅子さんの分かりづらさに正直、焦りました。
もう手の内様がない…と思った時、ヘレンケラーがサリバン先生から水を教わった瞬間を思い出しました。
耳からも目からも情報を得られないのは、同じ条件…だったら、手の感触で教えていけるのでは?と考えいました。
そこでタイルを2本立て、梅子さんの右手を指差しポーズをさせて、高さによる段差を触らせました。
違いがあれば、段差が生まれ、同じなら段差がないことを伝えながら、分類箱に分類させていきました。
この「手からの感触」で梅子さんは、ようやくタイルの長さに違いがあることを気づけました。
1〜10並べの応用編
盤を横向きに置き、左から右へ1から順番に数字ピースを置いていく。
- 今まで縦方向に置いていた盤を横に向けて、左から順番に数字ピースを置いていく。
- 数字が上から順番に並べようと、横から順番に並べようと順番は何も変わらないことを教える。
- タイルが横になろうと縦になろうと価値や長さ、大きさは全く変わらない(普遍的)ということを教えるために向きを変える。
- 子供によっては、向きが変わると分からなくなる場合もあるので、縦の向き、横の向き、両方とも教えていく。
梅子さんが縦方向に慣れた頃に横方向に置けるかどうかの練習を開始しました。
案の定、数字カードに躊躇がありました。
数字の並びもタイルの並びも理解していても、方向が変わるといつもと違う!ということで出来なくなりました。
そういう時は、J子先生から以下のアドバイスを頂きました。
梅子さんには、大量のタイルの分類とマッチングをやってから、改めて横に盤を向けて置かせていくと納得したようで間違わずに数字ピースとタイルを置くことが出来ました。
子供が少しの環境の変化で出来なくなることはよくあります。
そのような時は、必ず原点に立ち返るようにしています。
盤を横に置いて、左から右へ1から順番にタイルを置いていく。
- タイルも左から右に向かって置いていくことで順番は、普遍的だと教える。
- タイルがどの向きになろうと4は、4であるという価値は変わらないことを教える。
梅子さんは、タイルを左から右に並べていくのは、早くできるようになりました。
この時は、次第にタイルが大きくなることを理解していたので早かったのだと思います。
数字ピースをバラバラに置き、数字に対応しているピースを置いていけるか観察する。
- 子供が教材に十分慣れてきた頃に、縦方向の盤でも、横方向の盤でも、親があらかじめ、数字ピースをバラバラに置いておく。
- 子供には、数字ピースに見合ったタイルを置いていかせる。
- タイルと数字がきっちり合うかどうかを確認するための課題。
- 子供は、数字は数字、タイルはタイルとバラバラに考えているのでしっかり数字とタイルをつなぎ合わせることが大切。
梅子さんも、この数字とタイルは別々!という思考になっていました。
数字ピースはバラバラに置いているのに、タイルは1から順番に置いていかれた時は、頭を抱えました。
そこで盤のことは一旦置いておいて、分類箱を3つほど出して、その中に数字ピースをあらかじめ入れておいて、大量のタイルを分類箱に分類させるということをしました。
また、逆に分類箱3つほど出して、あらかじめタイルを1本ずつ入れておき、大量の数字カードを分類させる…ということもさせました。
目的は、数字ピースとタイルのマッチングです。
このように分からなくなると「分類とマッチング」を繰り返しながら梅子さんに教えました。
「分類とマッチング」は、絵カードなどにも応用できます。
違いを分からせること、同じを分からせること…重度発達障害児の学びの第一歩だと思います。
- 1〜10の数を量として教えるためにタイルを使用する
- タイルをすぐに理解できる重度発達障害児もいるが、なかなか理解できない子供もいる
- タイルが分かりづらい場合、分類とマッチングで違いを教える
- タイルを縦でも横でも同じということを教えていく。
以上が1〜10のタイル並べの教え方でしたが、他にもタイルや数字について考え方や教え方を解説しています。
ご参考にしてください
・【家庭療育】重度発達障害児に1〜30のタイル並べの教え方を解説
・【家庭療育】重度発達障害児に1〜100のタイル並べの教え方を解説
・【家庭療育】1〜1000のタイル並べの作り方と教え方について解説
・【家庭療育】重度発達障害児に教える1〜10000のタイルについて解説
では!🌸桜🌸