🌸桜🌸です。
前回、「【家庭療育】重度発達障害児に1〜100のタイル並べの教え方を解説」で作り方を解説しました。
今回は、100のタイル並べの教え方について解説します。
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【家庭療育】1〜100のタイル並べの教え方
タイルの盤を半分に折って、1〜50のタイルを並べる
子供の前にタイルを3枚ほど提示し、1から50まで順番に置いていかせます。
それでも間違う場合は、黙って取り除いて、もう一度判断させます。
判断に迷うようでしたら、全介助で手を添えて一緒に置いていきます。
5㎜✖️5㎜のタイルなので、タイルが小さいのですが、子供は気付くのでしょうか?
発達障害の子供の教材は、大きな文字にカラフルな物が多いです。しかし、そんな教材には、子供はあまり興味を示していません。どちらかと言えば、小さい物に興味があります。例えば、小さなゴミを見つけて拾って口に入れてしまいます。笑
子供の理解によっては、提示枚数を加減してください。
提示の中から自分で判断し、タイルを置くことは、判断する力を伸ばしていきます。
その判断を1つの課題で100回することになります。
日常生活の中で重度発達障害の子供が100回判断することはまずないかと思います。
是非とも取り組んで欲しい課題の1つです。
梅子さんが1〜100並べをした時、白いタイルを盤に貼られていなかった時代でした。笑
そのため、教えるのに非常に苦労しました。
当時、梅子さんに1つ1つ、タイルを置いてもらうために私の言葉の指示では難しかったので、「指し棒」を使用していました。
ちょっと飛び道具なのですが、この指し棒は、重度発達障害の梅子さんには私の思いがよく伝わりました。
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以前、梅子さんと梅子さんのお友達と一緒にみかんの収穫をしたことがあります。
美味しそうなみかんがたくさん木になっていたのですが、重度のお友達は、ハサミを持ったまま、動きませんでした。
梅子さんが1つ1つみかんを収穫していくのをお友達のお母さんが「ちゃんと収穫してくれていいな〜!」と言われました。
実は、私は地面に落ちていた小枝を拾って、指し棒がわりに収穫して欲しいみかんを示していました。
梅子さんは、その指示にしたがっていただけでした。
そのことをお母さんに伝えると、そのお友達にも同じように指し棒で指し示してやると、どんどん収穫していきました。
重度発達障害の子供は、みかんは見えていても、どれから収穫していいのかが分かりません。
そのことを伝えるためには、指し棒は非常に便利です。
タイルの盤を広げて、51〜100のタイルを並べる
1〜50までのタイルを並べおわると、置いたタイルを崩さないように、タイル盤を広げて51〜100までタイルを並べていきます。
61から50の部分がかたまりになっていますがどうしてですか?
子供は、5ほんのタイルの線の区別がつきやすいのですが、6本以上になると分かりづらくなるので、60以上は、50の部分はかたまりとして教えていきます。お金で言えば、50円玉1枚ということですね。
しかし、後半に差し掛かると、終わりが見えてくるので、落ち着いてくる子供もいます。
梅子さんは、いつも100並べは、数字でもタイルでも大泣きでした。
しかし、80くらいになると泣き止んでいました。笑
終わりが分かる…見通しが立つということが重度発達障害児にとって重要なのですね。
1〜100の数字カードを並べていく
タイルを100まで並べ終わってから今度は、数字カードを置くのは何故ですか?
タイルと数字を結びつけていく作業です。
そのため、数字とタイルを結びつけていくために置いていきます。
既に1〜100の数字並べで並べている経験のある子供は、見たことがある文字なので、さっと並べてしまう子供もいるかもしれません。
梅子さんの時代は、この数字カードをタイルの上に並べていくことがなかったので、タイルと数字の関係性を教えるのに少し時間がかかりました。
教材も子供の分かりづらさに合わせて進化していけるのが手作りのよさでもあるかと思います。
タイルを1から100まで片付けていく
次にタイルを1〜100まで片付けさせていきます。
これは、「【家庭療育】100並べの教え方と心を育てる療育」でも書いたように、片付けるときは、親の差し出して手のひらの上に置いていかせます。
どうして、自分で片付けさせたり、まどろっこしい片付け方をさせるのでしょうか?
まずは、片付けるとき、再度、タイルを確認させていくのが目的です。そして、人に物を手渡す練習もかねています。
いくら「タイルをよく見て!」と言っても重度発達障害の子供は、天井ばかり見るか、全く違う方向ばかり見ます。
しかし、指し棒でさされたタイルを自分でタイル盤から取り除くとき、必ずチラッと見ます。
そうやって形や大きさを確認できます。
そして、タイルを片付けて人の手に渡していくという行動は、重度発達障害児には、難しい行動です。
日常生活の中では、自発的にやれるまでに時間がかかる行動です。
そのため、課題学習の中で当たり前にしてやり、日常生活の中に落とし込んでいきます。
人のために動けることの第一歩を教えていけるのも算数の恩恵です。
その都度、タイルを拾わせ、再度、私の手のひらに置くようにさせて、丁寧に人にタイルを渡す練習をしました。
数字カードを1から100まで片付けていく
最後に、数字カードを1から順番に片付けさせます。
タイル同様に親の手のひらに置いていかせて100まで片付けさせていきます。
1つの課題にしては、長い時間かかりますね。子供は、飽きてしまわないのでしょうか?
重度発達障害の子供は、整然と並んだタイルの姿が大好きです。並べるまでは、大変かもしれませんが、並べ終えた後にできた美しいタイルを眺めたとき、山登りのように山頂から下界を見るような感覚で眺めている子供もいます。
最後の数字カードを片付けるときは、自分が何をしているのか、自覚もある上に終わりが見えているので片付けには、積極的に参加してくれる子供もいます。
理由は、離席を許すとすべての作業で許されると覚えてしまいます。
子供に作業中は、離席しないことを教えてあげてください。
トイレなどは、課題学習前に済ませておきましょう。
梅子さんは、算数がとにかく苦手でした。
そのため大泣きしながら「トイレ〜!」と言っては逃れようとしていた時期もありました。
そんな時は、私も淡々と全介助で並べさせていきました。
梅子さんがタイル並べをした時期より教材も分かりやすくなっているので、子供の考える負担は少ないかと思います。
- 1〜100のタイル並べを並べて、片付けるまで親の指示を400回聞くことになる。
- 人に物を手渡すということを教えていける。
- 数字の背景にある「量」を教えていける。
以上が1〜100のタイル並べの教え方でしたが、他にもタイルや数字について考え方や教え方を解説しています。
ご参考にしてください。
・【家庭療育】重度発達障害児に1〜10のタイル並べの教え方を解説
・【家庭療育】重度発達障害児に1〜30のタイル並べの教え方を解説
・【家庭療育】1〜1000のタイル並べの作り方と教え方について解説
・【家庭療育】重度発達障害児に教える1〜10000のタイルについて解説
では!🌸桜🌸