🌸桜🌸です。
今回は、重度発達障害の子供さんが病院・美容院に通うということについて書いていきたいと思います。
うちの子、散髪や病院が苦手です。連れて行くと大泣きしたり、暴れてしまったりで困っています。敏感なので触られるのが苦手です。
梅子さんも散髪や病院が嫌いでした。指示の通る関係性を築きながら、散髪や病院は、何をするところかを理解していった結果、協力的になってくれたので助かっています。
23歳(2021年3月)の重度発達障害者の梅子さんは、病院も美容院も普通に通っています。
歯医者や内科、耳鼻科や皮膚科、整形外科などは、拘束帯も必要とせず、普通に診察を受けたり、注射をしたり、レントゲン撮ったりしています。
小学校高学年の時、乳歯の根っこが頑強なのか、中途半端にぐらついてしまい、痛がったので麻酔をして、その日、2本ほど乳歯を抜いて、日帰りで帰宅しました。
中学校時代、皮膚科に足底疣贅の治療のため、3年間、毎週1回通い液体窒素で焼いていました。
梅子さんが中学校の頃、てんかんを発症したので、現在の月1回、診察してもらっていますが、先生と1ヶ月の様子を私と話しして、薬の処方箋を書いてもらい、即帰宅…という感じです。
半年に1回、脳波検査と血液検査をしています。
他にも「梅子さんの成人期編1」「梅子さんの成人期編2」にも書きましたが、胃カメラやCT撮影もしてきました。
この時もドキドキはしたのですが、拘束帯も必要とせず、何事もなく終わることができました。
我が子が暴れている姿を見ると、今は嫌がっているけれど、大人になったら病院、克服できるようになるんだ…と思ってしまうかも知れません。
しかし、発達障害のお子さんは、療育の上に治療を受ける態度が成り立っていると言っても過言ではありません。
大人になっても歯医者では、拘束帯の必要な方もいます。
病院に通えず、かなり悪くなっているのが分かっていても、病院に連れていくと暴れるので、そのまま行かない方もいます。
非常に悪くなってようやく病院にいく…という方も実際、おいでるようです。( ; ; )
あと、美容院についてですが、梅子さんは、今、自分の工賃で通っています。
私は1円も出していません。
梅子さんが小学校低学年までの間は、美容院で大泣きでした。
他のお客さんに非常に迷惑をかけました。
穴があったら入りたいくらい大泣きの大騒ぎでした。
そのような状況をどうくぐり抜けてきたのか、病院も幼い発達障害のお子さんをお持ちであれば、どうすればいいのかについて書いていきたいと思います。
少しでも皆様のヒントになれば嬉しく思います。
- 発達障害児は、病院や散髪は、なれないまま大人になってしまう方もいる。
- 病院を嫌がって、手遅れになるケースもある。
- 病院や散髪は、療育をしていく上で次第に理解し、本人が納得できるようになれば協力的に治療や散髪をさせてくれるようになる。
【家庭療育】発達障害児と初めての歯医者・美容院
梅子さんをどうして歯医者に連れて行こうと思ったのですか?きっかけは何ですか?
梅子さんが小学1年の時、学校で行う歯の検診を受けた時、虫歯の可能性を指摘されたのがきっかけでした。結果は、虫歯ではなかったのですが、それ以降、予防歯科として今でも通っています。
歯医者の診察では、大泣きで抑えて口の中を見るのがやっとの状況でした。
こんな状態で歯医者なんて、通える気がしない…と正直思いました。
せっかくきたのだから、今後も予防歯科として通うことになり、1ヶ月後の予約を取る事になりました。
これが毎月、続くのか…と思うと正直、うんざりする気持ちになりました。
その後も歯医者に行くたびに大泣きでまともに口の中を見える状況でない日々が半年以上続きました。
この時期、並行して月1、美容院にも通っていました。
ここでも大泣きでしたが、ある日、美容院に行った時、梅子さんはいつものように私の方をじっと見ながら大泣きが始まりました。
お客さんも数人いたのですが、梅子さんがまだ小学校低学年ということもあり、周りからは非難されることはありませんでした。(ありがたいです。)
梅子さんは、私の方をじっと見つめて(普段は、目線など絶対に合わない)大声をあげて泣いていました。
いつもなら怒っている顔で梅子さんを見つめていた私なのですが、ふとJ子先生からセッションの時に教わった言葉を思い出しました。
その言葉が脳裏をよぎった時、いつものような怒った顔をせず、どこか池でものぞいて魚でもいないかな…というような不思議な気持ちで梅子さんに声もかけず見つめ続けていました。
梅子さんは、私を見続けたまま、次第に泣き止み、静かになってしまいました。
その後、髪の毛を黙って切らせてくれました。
そして、美容院の先生から今なら、そのままシャンプーも出来るかも…ということでシャンプー台に座らせ、シャンプーもしてもらいました。
梅子さんは2回目のシャンプーは、少し緊張していたようでしたが、嫌がることはありませんでした。
その日は、美容院で大人しくなり、帰宅する…という事になりました。
そして、後日、歯医者にいくと、泣くこともなく、大人しく診察出来るようになりました。
現在は、美容院でシャンプーするたび、梅子さんは、口を半開き開けるようになりました。
あまりの気持ちの良さに恍惚としているのが分かるようになりました。笑
- 歯医者にいくきっかけは、学校の検診に引っかかった。
- 歯医者・美容院ともに大泣きで大変だった。
- 梅子さんの挑発に乗らず、ぼんやり眺めていたら、大泣きがおさまった。
【家庭療育】病院・美容院について(子供の観察)
どうして梅子さんは、美容院でいきなり泣き止んだのですか?もう少し詳しく教えてください。
理由は、2つありました。1つは、髪の毛を切るという行為を怖がっていました。2つ目は、怖いという訴えを聞き入れず、怖い顔で見つめている私に対する訴えでした。
美容院や歯医者を嫌がる…という点について、「敏感」という言葉が真っ先に浮かぶ方もおいでるかと思います。
美容院なら頭を触られるのが嫌…とか、歯医者なら口を触られるのが嫌…とか。
梅子さんは、敏感タイプでは決してありません。
その逆で鈍感です。汗
今でも注射を打つ時は、平然として打たれる瞬間を見つめています。
では、何故、大泣きしていたのか?
中途半端な認知と私の存在が大泣きの原因を作っていました。
中途半端な認知…というのは、人から髪の毛をハサミで切られる怖さや口の中を覗かれる恐怖から大泣きしていました。
梅子さんは積極奇異型ではなく、基本、怖がりで考えるタイプです。
これから何が行われるのか予測がつきません。
経験不足です。
こんな時に絵カードを見せても正直、無意味でした。
経験させるしか方法はありませんでした。
次に、経験しても何ヶ月も大泣きしていたのは、私が原因でした。
何度も経験して数ヶ月も経過しているにも関わらず、大泣きを続けさせていたのは、私自身だったということです。
梅子さんは、「怖いよ〜!」という意味で大泣きするたびに私が睨みつけて怒った顔で見つめていたことで、次第に美容院や歯医者に来るたびにお母さんが怒り出すし怖い!やめて〜!という意味に変化していったようです。
J子先生の言葉が頭の中でよぎり、泣きに引きずられず、不思議な顔をして覗いている私を見て、あれ?と思った梅子さんでした。
怖いという恐怖を訴えている梅子さんを私は、正直ウザイと考えていました。
私の思いが顔に出てしまい、梅子さんは美容院や歯医者が嫌いになっていたようでした。
- 髪の毛を切られたり、口の中を覗かれたりするのがこわかった。
- ハサミで髪の毛を切られると痛いのでは?という恐怖。
- 付き添いをしている私の顔が怒りに満ちていて、怖かった。
【家庭療育】病院について(絵カードなど)
泣き止んでからの梅子さんは、どうなっていきましたか?
次に梅子さんと美容院や歯医者に行くとき、生き場所を伝える絵カードを作成しました。経験から絵カードを通して、スケジュールが入りやすくなりました。
梅子さんが美容院や歯医者で大泣きしなくなってから、梅子さんに病院や美容院の絵カードを与えてみました。
その絵カードを見せると、チラッと見るかみないかのような素振りですが、理解は出来るようになってきました。
この時分かったことが、梅子さんは経験したことがないことは、絵カードを見せても理解はできません。
しかし、一度か数回経験したことは、絵カードにすると理解できるようでした。
重度発達障害児には、まずは「経験」が必要なのでは?と考えるようになりました。
経験後、絵カードを与えると理解が深まるのではないのか…という結論になりました。
- 泣き止んでからは、美容院も歯医者も嫌がることがなくなった。
- 絵カードから意味を理解するのではなく、経験を通して絵カードの意味を悟ることができる。
【家庭療育】通院後について(ビフォー、アフターをはっきりさせる)
梅子さんは、歯医者と美容院以外は、まだ大泣きしていましたか?
いえ。美容院と歯医者を嫌がることがなくなってからは、どの病院も嫌がることはありませんでした。年齢を重ねるごとに、病院に対して、不快な症状を治してくれるところと認識してきました。
病院について、梅子さんは、内科を初め、整形外科や皮膚科、耳鼻科にも通うようになりました。
病気になっては、病院に行って治してもらいの繰り返しの中、梅子さんは「病院=不快感を治してもらえるところ」と理解してきました。
少しでも体調が悪くなってきたら、「病院」を言える時がありました。
ある日、梅子さんが小学校中学年の頃、自分の部屋から大きな声で「病院!!!」と叫んだので、慌てて見に行くと、平然として立っていたので、私が「どこが痛い?」と聞いてみました。
聞いても正直、答えてくれないだろうと思っての質問でした。
梅子さんは、自分のお尻を指差して「◯◯クリニック!」とかかりつけの内科の名前を呼んでました。
は???…と思って、お尻でも怪我したのかと思って、確認したところ異変は見つかりませんでした。
しかし、梅子さんは、必死で私にお尻を見せて指差しで肛門をさして「クリニック!!!」と訴えていました。
私は、梅子さんは、お尻に穴があいている事に気づいて、大変だ!!!と考えて、塞いでもらわないと!!と思ったのだと考えました。
そこで、梅子さんには、「そこは、う◯こが出るところだから大丈夫だよ…(爆笑)」と言うと、ホッとしたようでそれっきりクリニックを叫ぶことはありませんでした。笑
本当に、分かりづらいな…と思いながら、少し成長してきたんだと思って笑いました。
このように病院や美容院に通うだけでも非常にエネルギーの必要な発達障害児ですが、本人に理解が進んだ時、適切に治療させてくれるようになります。
治療は、医療関係者が助けようとしても、患者側が非協力的だと助けられません。
発達障害者側にも協力してもらうためには、療育をすることによって子供の言い分を理解し、適切に向き合えば必ず変わります。
私のように梅子さんを理解せず、大泣きを長引かせる失敗がないように向き合っていただけたらと思います。
- 内科・耳鼻科・整形外科・消化器科、眼科、あらゆる病院にかかっても嫌がることなく協力的に治療をさせてくれるようになりました。
- 経験から病院が不快な症状を治してくれる場所と認識できた。
- 連れて行く私との信頼関係ができた。
- 子供の問題行動のSOSの背景を知り、適切に向き合えば、問題行動は消滅していく。
では!🌸桜🌸
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