🌸桜🌸です。
前回、梅子さんの小学校編 6では、1から10までの引き算についてタイル算でのやり方を簡単に説明しましたが、今回は、繰り下がりの引き算についてタイル編と計算式編を書いていこうと思います。
重度自閉症のお子さんに繰り下がりの引き算の理論まで教えるの?と思われた方もおいでるかと思いますが、お金の知識を体系立てて伝えるためには、繰り下がりと繰り上がり、そして、0の概念は、外す事ができません。
🌸桜🌸もここには、かなり梅子さんには力を入れて教えてきた所です。
一見、難しいようにも思うのですが、数字だけの世界ではなく、タイルという道具の面積を現す力をかりて理解してもらうので、理論が入れば、あとは、九九を覚えていくだけです。
一山越えればあとは、楽になるというのが本当の所だと思います。
ただ、タイルの理論をバッチリ入れたからと言って、即お金が使えるようにならないのが発達障害のお子さんです。
今度は、タイルとお金のマッチングをして、ようやくお金の課題は、スタートします。
お金を見るだけで、タイルの面積が想像できたら、支払いは、どのような金種であろうと、払い方にレパートリーが増え、梅子さんも困らなくなるので、タイル算は、お金の課題に続くと思ってチャレンジしていました。
次に、物差しを使って線を引くという作業をしていきます。
この力は、物づくりを行う上でも必要な力になります。
例えば、箱を作る作業においても、線を引けなければ、既存に書かれた線も意識的には見えてきません。
自分で線を引いていくことで、線を意識し、線の意識が、枠の意識に繋がり、枠の意識は、自他の区別がつき、社会性へとつながっていきます。
発達障害のお子さんで線の意識出来る子供さんは少ないので、是非とも家で習得していただけたら、お子さんも生きていく上で助かるかと思います。
繰り下がり引き算(タイル編)
この表の読み方は、前回の梅子さん小学校編 6でも紹介したように」「11−2 9」「11−3 8」というように「=」は、発音せず、九九のリズムのように、リズムよく読んで、梅子さんにもオウム返しで教えていきました。
もちろん最初は、表を読むのも難しいので、この表を見本にしてタイル表を梅子さんと一緒に作って、1つ1つ式を確認しながら作っていきました。
引き算九九も繰り下がり引き算九九も答えの部分が少し特徴的で最初は、読みづらいですが、「線」にくっついているタイルは、答えになり、線から斜めに落ちているタイルは、引く数となります。
繰り下がり引き算の場合、私は、最初、梅子さんには、線にくっついていても離れているタイル同士を足して読むという事ができないだろうと考えていました。
しかし、梅子さんは、この時点で線の意識が出来ていたので、最初にタイル表を見本通りに作っていく時点で答えの読み方は、すぐに出来ました。
ということは、梅子さんは、タイルを見るだけで、計算式なしで暗算で計算していたことになります。
このような思わぬ副産物?の力もついていきました。
繰り下がりの引き算(計算編)
梅子さんは上記の繰り下がり引き算九九を覚えながら、同時並行で横書きの式のプリントも勉強していきました。
最初は、九九通りの上からの順番で教えていきましたが、その順番が慣れると、プリント式の順番をランダムに変えていきました。
この時、梅子さんは、以前と同じように上からの順番で答えを書いていきました。
式がランダムになっている事に気づきませんでした。
その時、式の上に小さいポストイットを貼り付け、そのポストイットに同じ式を書き、繰り下がり引き算九九の中のどの式を示しているのかを繰り下がり引き算タイル表の上に貼り付けさせ、マッチングを子供にさせていき、答えを導き出させました。
そして、ランダムな式にも対応できた後、ポストイットを貼り付けなくても、式を見ただけで、繰り下がり引き算が解けるようになりました。
その後は、普段使用している無料の計算プリントをダウンロードし、計算式で繰り下がり引き算が解けるようになりました。
物差しの使い方
線を引く練習をする時、梅子さんは上記のようにノートに私が油性マジックで黒い目印を上下につけ、その点を物差しを当てて引いていく作業をしました。
最初は、上の点と下の点に物差しを当てるのが難しかったので、私が梅子さんの後ろから全介助で点と点を物差しを一緒にあて、あとは、シャーペンで梅子さんが線を引くという作業から開始しました。
梅子さんには、正直、物差しなど必要ないと考えていました。
しかし、J子先生のご指導のもと、セッションで物差しを使いこなせている梅子さんをみて、驚きました。
重度自閉症の子供が楽しそうに物差しを使って線を引いている姿は、想像すら出来ませんでした。
また、梅子さんは、道具を使いこなす上で、結構、なんでも器用にこなす人だと分かりました。
お子さんによっては、形骸的に物差しを引くマネはしても、鉛筆と物差しとの間に距離があき、ほとんどフリーハンドで線を引いてしまうお子さんもいらっしゃるようです。
物差しで真っ直ぐ線を引くという事が理解できていない場合もあり、練習を積む事で真っ直ぐの線の意識ができるようになるなってきます。
やっぱり練習あるのみだと思います。
では!🌸桜🌸
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