🌸桜🌸です。
今回、梅子さんと取り組んだ課題の中でいまだに続けている課題も含めて、ご紹介させていただこうと思います。
まずは、声の音量の調整をする練習です。
梅子さんはコミュニケーションの言葉は持っていませんが、コマーシャルのフレーズや独り言などは、口から出てきます。
そのコマーシャルのフレーズや独り言などは、喋ってはいけないという訳ではありません。
ただ、梅子さんは、時と場合というのを選ぶ事が出来ません。
その事で、静かにしなければいけない場面でも大きな声で喋ってしまい、周りの方に迷惑をかけたりします。
また、独り言が止まらないということは、学習面においても不利になります。
自分の発する言葉によって、指導してくれる相手の言葉が耳に入らなくなるからです。
そうなってくると、普通でも分かりづらい子供なのに、なお一層、勉強が伝わらずに結果、子供が損をしてしまうので、音量を調整する練習は、不可欠になってきます。
梅子さんが成人になっても、音量は教えています。
どこで静かにすればいいのか、どこなら声を出していいのかなど、私が伝えて、教えています。
次に紐結びを教えました。
いわゆる蝶結びです。
この力は、固結びから始まり、蝶結びなどにも応用できるので、貴重な手の仕事だと思います。
しかし、梅子さんは、療育する前は、空間認知は苦手でしたので、人が蝶結びをしているのを見て、マスターするなどは、不可能でした。
見て覚えられない梅子さんにどうやって教えたのかをご紹介したいと思います。
最後は、指の運動です。
実は、梅子さんと療育を初めてした時、J子先生から教えていただいた指の運動を小学生になった梅子さんに教えた所、見事にできませんでした。😭
あまりにも簡単な運動なのに、出来ないって…健常児なら考えられない!と、まだ発達障害の困難さを理解できていなかった私は、驚愕したことを覚えています。
課題学習は、発達障害の困難性を周りの人たちに可視化する事ができる方法なのだと改めて思いました。
音量の練習
梅子さんにまずは「音量」と漢字に書いて、言葉を教えてから、課題学習中、音量の練習に取り組みました。
最初、音量と言っても、梅子さんにはわかりませんでしたので、家のテレビを使って教えました。
梅子さんにテレビのリモコンを持ってもらい、音量のボタンを触らせ、私が「音量20」とメモ帳に書いて見せ、その言われた音量の通りにセットしていくということをしました。
今のテレビは、音量がゲージのようになっていて、音量が上がるたび、ゲージが伸びていくというように音量を数字とゲージで可視化してくれます。
そして、最後に音量の1番MAXと音量0という世界を教え、音が目に見える形と聞いて感じてもらいました。
そのことで、音量とはなんぞやということを教えました。
次に課題学習中に、メモ帳などに「音量0」と「音量10」と書いた別々の紙を用意し、「音量0」を見せて梅子さんに読ませてから、キッチンタイマーで10分ほどセットし、無言でいる練習をしました。
もちろん最初からうまくいくわけはなく、1分も立たず梅子さんは、声を出してしまいます。
すると、キッチンタイマーを改めて10分にセットし直して、やり直しをさせました。
そのようなやり直しすれば、時間がかかると分かると次第に無言の時間が増えていき、10分間は、静かに出来るようになりました。
そうやって机上で練習して出来るようになった後、実生活の中に音量を落とし込んでいきました。
まずは、家のリビングで、次に、車内で、そして、量販店などの店内やレストランなど…
環境が変わっても、音量という課題は、何を示しているのかを教えていきました。
もちろん、「音量0」だけをさせている訳ではなく、喋っていい場所では「音量10」と言って、喋ってもいいことを伝えたりします。
音量が上手く調整できるたびに梅子さんを「よくできたね!」や「静かにしてくれて助かったよ!」などと声を掛けて褒めていきました。
紐結び
梅子さんに紐結びを教える前にダンボールと紐を用意し、段ボールに2箇所、穴を開けて紐を通し、それを結ぶ練習をしました。
まずは、固結びから初め、固結びが出来るようになってから、蝶結びの練習を開始しました。
健常のお子さんの教育系の教室でも取り組んでいらっしゃるようですので、教材の様子などのリンクを貼り付けておりますね。
ただ、梅子さんは、私のやり方など見ようとしません。
見ようとしないのは、反抗的な態度をとっている訳ではなく、純粋に分からないというサインです。
発達障害の子供は、分からなければ、大泣き大暴れをするか、教材ではない違うところを見ます。
例えば、天井とか、壁とか、教えている人間の顔ばかり見つめるとか…どこを向いても、答えは、書いていないのですが。笑
それが発達障害の子供の分からないのサインです。
指の運動
上記にも書いた指の運動ですが、まずはじめに片手(どっちでもいいのですが)を出して、画像のように親指と人差し指の先を合わせ、その次に親指と中指、次に親指と薬指、次に親指と小指というように動かし、小指まできたら、また親指と薬指、次に親指と中指、最後に親指と人差し指に戻るという練習をしました。
梅子さんは、最初、上記の画像のような親指と人差し指の先を合わせる形を作れませんでした。
指をどう動かしていいのか分からなかったようです。
これが、発達障害の人の不器用性の根幹なのだと思いました。
私は、梅子さんの指を全介助で1本ごとに動かしてゆっくりですが、動かす練習を開始しました。
1本1本に全介助の必要な梅子さんを見て、やはり、ほっといてはいけない子供だと思いながら向き合っていました。
片手ずつが出来るようになると、両手で出来るようにする練習を積みました。
最後は、何日も練習してスムーズに動かせるようになりました。
発達障害の人たちは、教えてもらっていないことは出来ないですが、教えてもらったことは工夫と継続でできるようになりますので、彼らを信頼して教えていく事が大切だと思います。
では!🌸桜🌸
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