🌸桜🌸です。
今回、重度発達障害児の早期療育を行うにあたり、家で何をどうすればいいのかについて解説していきたいと思います。
うちの子、重度発達障害と診断されたのですが、なにか家で教えられることはありますか?
まずは算数を教えていき、同時並行で身辺自立・文字の読み書き、手先を磨く練習・体力作り・料理をおこなっていくといいでしょう。
今回は、タイルを使った算数とタイルで教えられる課題について解説していきたいと思います。
- 100並べ
- タイル算
- お金
- 1対1対応
- 時計
- 分数
- カレンダー
7つの力を身につけるだけで、重度発達障害児のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)がグッと上がります。
- お金の知識が入ると、卒後の就労では意欲的に働けるようになります。
そして、誰かの許可なくても自分の働いたお金で好きなものが買えます。 - 個数が分かれば、仕事の最中でも職員さんの伝えたいことが理解できます。
- 時計が分かれば、「ちょっと待って」が理解できるようになります。
- 分数が分かれば、料理をするとき、買い物に困らず、レシピの内容も理解できるようになります。
- カレンダーが分かれば、先の見通しが立って、不安から解放されます。
今の梅子さんは、7つの力をつけて、暮らしています。
特にお金と時計に関して、仕事に生かすことができています。
私のいない所で生き生きと働いてくれる…それだけで幸せを感じています。
重度発達障害の子供が見通しをもてた人生を歩く時、安定が生まれます。
是非とも、早期療育の段階から家庭内で算数を教えてあげて欲しいと思っています。
1.【重度発達障害】生きるための算数について
重度発達障害児は、言葉に遅れがありますが、初めに教える療育は、言葉からではないのですか?
重度発達障害の子供は、分かりづらさから目に見えない音声だけの言葉の世界を苦手としています。そこで、はっきり目に見える数字を使って教える「算数」から教えていくことで、本人の「生きる力」と「自信」に繋げていきます。
- 算数は、答えのある世界(例 1➕1=2 誰が計算しても答えは1つ)
- 算数は、目で見てわかる世界(言葉のやりとりは、目には残らない)
- 重度発達障害児は、人から学ぶことを最初から知らない(模倣ができない)ので、算数から教えることで人から学ぶ姿勢を身につける
- 人から学ぶ姿勢を身につけると、言葉も教えやすくなる
重度発達障害児に算数を教えるのに何か大切なことはありますか?
重度発達障害児は、深刻な認知の障害を抱えています。数ヶ月教えたからと言って理解できるわけではありません。途中、教える側が諦めないことが1番大切です。
梅子さんが生きるために必要だった算数は7項目あります。
2)タイル
3)計算(足し算・くり上がり足し算・引き算・繰り下がり引き算・掛け算)
4)1対1対応
5)時計(24時間制)
6)分数
7)カレンダー
7項目を小学校2年から高校3年の11年間かけて教えてきました。
1つの項目を理解するのに最大4年の月日を要したのもあります。
しかし、梅子さんの卒後の長い人生を考えると1つの項目に4年かけたとはいえ、短かったのかも知れません。
算数についての必要性については、「【家庭療育】重度発達障害児に算数を教える必要性を解説」に書いています。
ご参考になさってください。
1)100並べ
重度発達障害児に1番初め教える課題、アラビア数字1〜100を覚える…という課題をします。
数字の1〜100を順番に並べていくことで数字にふれ、規則性を教えていくことができます。
順番通りに置いていく横の並びの関係と位の意識をさせる縦の関係を覚えさせ、あらゆる方向から数字を並べるよう指示することで、次第に人の指示に従う関係性を作り上げていきます。
100並べの教材作りについては、「【家庭療育】発達障害の算数教材・100並べ」、100並べの教え方については、「【家庭療育】100並べの教え方と心を育てる療育」をご参考にしてください。
2)タイル
数字に量を伴わせるため、タイルを使うのは分かりましたが、重度発達障害児にどこまで教えたらいいのですか?
梅子さんの場合、「自分で買い物ができること」を目指していました。そのため日常の買い物で使用する範囲である10000までの数を教えました。
日常の中で梅子さんが買い物をするとき、10,000円以上の買い物はあまりしないことと、日本銀行が発券している金種は最大で10,000円札ということもあり、教えるのは10,000円までとしました。
- 日常の買い物の金額は大体10,000円までが多い。
- 日本銀行の発券している金種は、1円玉・5円玉・10円玉・50円玉・100円玉・500円玉・1,000円札・5,000円札・10,000円札なので、10000までのタイルを教えた。
※ 2,000円札は、あまり市場に出回ってないので教えていません。
(1)1〜10のタイル並べ
まずは、1〜10のタイルを全介助して並べていきます。
子供の手を添えて教えていくことで、最初は何をさせられるのか分からず抵抗するかも知れませんが、次第にやっていることが見えてくると積極的に取り組んできます。
教材作りと教え方については、「【家庭療育】1〜10のタイル並べの作り方」と「【家庭療育】重度発達障害児に1〜10のタイル並べの教え方を解説」をご参考にしてください。
(2)1〜30のタイル並べ
次に1〜30のタイルを全介助して並べていきます。
1〜30タイルの一の位のタイル色を変えることで十の位に着目させていきます。
1〜30のタイル並べの教材作りと教え方については、「【家庭療育】1~30のタイル並べの作り方について解説」と「【家庭療育】重度発達障害児に1〜30のタイル並べの教え方を解説」をご参考にしてください。
(3)1〜100のタイル並べ
1〜100のタイル並べは、絶対に教えたい算数の基礎になります。
そして、この1〜100のタイル並べとアラビア数字の100並べの2つの課題が人から学ぶための姿勢が身に付く元となります。
1〜100のタイル並べの作り方と教え方は、「【家庭療育】1〜100のタイル並べの作り方について解説」と「【家庭療育】重度発達障害児に1〜100のタイル並べの教え方を解説」をご参考にしてください。
(4)1〜1000のタイル並べ
1〜1000のタイル並べになると、一定の法則で並んでいることに気づき始めます。
1〜10のタイルと100〜1000のタイルは、大きさが違うだけで形は全く同じです。
この法則に梅子さんはすぐに気づくことができたので、1000と言ってもあまり困ることなく並べることができました。
1〜1000のタイル並べの作り方と教え方は、「【家庭療育】1〜1000のタイル並べの作り方と教え方について解説」をご参考にしてください。
(5)10000タイル
梅子さんには、10000までの数を教えました。
買い物を目的として教えていたので重度であっても教えておきたい数でした。
10000タイルは、プロジェクトペーパーを使って教えました。
10000タイルの作り方と教え方は、「【家庭療育】重度発達障害児に教える1〜10000のタイルについて解説」をご参考にしてください。
3)お金(計算)
重度発達障害の子供にどうやって計算を教えていいのか分かりません。
数字だけだと分かりづらいですが、タイルを操作することで足し算・引き算などが理解できます。
重度発達障害の子供に「1+1=2」という式を見せても意味がさっぱり分かりません。
- 1という数字が分からない。
- 1という数字の量が分からない。
- ➕のマークの意味が分からない。
- =のマークの意味が分からない。
- 2という数字が分からない。
- 2という数字の量が分からない。
- なぜ答えに2がくるのかも分からない。
全てが分からない…という状態です。
「認知の障害」の現れでもあるのですが、答えが「2」に変化することをどう伝えるのかが鍵になります。
そのために「タイル算」を使って教えていきます。
そこで買い物に必要な力を8つに分けました。
あくまでも計算とお金を扱えることを目的としているので、この中に「割り算」を入れていません。
- 足し算
- くり上がり足し算
- 引き算
- 繰り下がり引き算
- 掛け算
- 1対1対応
- 金種を見分ける力
- お金とタイルのマッチング
(例)スーパーでの買い物
①店に入ってカゴを持ち、必要な食材をカゴに入れ、目当ての食材を全て入れ終わるとレジに行き、合計金額を出してもらう。
②レジで提示された合計金額を見て、財布の中から必要な金種を選んで、ちょうどの金額、もしくは少し上のお金を店員さんに渡す。
③合計金額より上のお金を支払った場合、お釣りとレシートが戻ってくるので受け取り財布に入れる。
④食材を袋に詰めて帰宅し、レシートを見ながらお釣りと財布の中身の合計金額があっているかどうか計算する。
- ①の場合は、「足し算」「くり上がりの足し算」の力が必要
- ②の場合は、ちょうどの金額なら「個数の力(1対1対応)」が必要。少し上の金額で支払う場合は、「面積の力(掛け算)」が必要
- ③の場合は、「引き算」「繰り下がりの引き算」の力が必要
- ④の場合は、財布の中身の「金種を見分ける力」と「お金とタイルのマッチングする力」が必要。
レジの買い物を4段階に分けて、どの段階にどの計算する力が必要なのかを考えました。
4段階に分けることで、どうして子供に計算力をつけなければいけないのか…という疑問に対して答えが明確になり、教えている私たちにブレが生じなくなります。
(1)足し算
まずは、答えが「10」までになる足し算を覚えていきます。
梅子さんが足し算を覚えた時の事を今でも記憶しています。
初めて「わかった!」という経験をしたのも、この足し算の表からでした。
わかった瞬間、パッと私を見つめて、生き生きしていた顔をしていました。
重度発達障害の子供でも、「分かる」喜びを感じることができるのだと知りました。
(2)くり上がり足し算
次に、答えが「11」〜「18(=9+9)」までの足し算を覚えていきます。
最初、この盤をみた時、重度の梅子さんに覚えられるか不安でしたが、梅子さんは、既に答えが「10」までの足し算を理解していたので、工夫すれば読み方は少しずつ入っていきました。
くり上がり足し算盤のおかげで働いた工賃を自分の持っているお金と足して、増えたことを確認しています。
(3)引き算
足し算を理解した後、今度は10〜2から引く式を覚えていきます。
引き算は、線に沿ってくっついているタイルと斜めにぶら下がっているタイルが現されています。
引き算表を覚えたことで、梅子さんは自分の財布から必要な金額をいくら支払ったのかを計算して、残りのお金を算出しています。
(4)繰り下がり引き算
次に、18〜11から引く式を覚えていきます。
繰り下がり引き算は、引き算同様、線に沿ってくっついているタイルと斜めにぶら下がっているタイルが現されています。
しかし、引き算と違うのは、線にくっついている距離の離れたタイルを瞬時に足すということをします。
最初、重度発達障害の梅子さんにそれは出来ないだろうと考えていました。
しかし、教え始めて驚いたのは、梅子さんはコツを掴むとすぐに距離の離れたタイルを無意識に近い状態で足し算し、答えを出していました。
これは、繰り下がり引き算をする前にタイルに慣れ親しむと出来る能力なのだと知りました。
発達障害により知的に遅れがかなりあるとはいえ、無意識の足し算をする能力を見ると重度発達障害の子供は、全てに劣っている訳ではないことが分かりました。
(5)掛け算
上記の画像のようにタイルを使うと掛け算は、そのまま面積の計算になります。
梅子さんに徹底して教えたのは、掛け算の九九と「縦」と「横」の関係でした。
そして、もう1つ大きな特徴があります。
2✖️️1=2
2✖️2=4
2✖️3=6
2✖️4=8
2✖️️️5=10
2✖️6=12
2✖️7=14
2✖️8=16
2✖️9=18
2✖️10=20
全ての1〜9の段の最後は、「◯✖️10」の計算まで九九で教えることでした。
「◯✖️10」を教えたことで、梅子さんは、それまでは、パッとみてタイルの量を判別していたのですが、掛け算が入ったことで、意識的に「縦」と「横」の関係を考えて、面積として見れるようになりました。
その面積を見る力が、少し上の金額(例えば、267円を支払うのに、300円を支払う力)が支払えるに繋がりました。
(6)金種の見分け方と分類
とはいえ、私は、あくまでも「耳からの情報処理」よりかは、いくらかマシというレベルでしか考えていません。
理由は、梅子さんが小銭の金種を見分けられなかったからです。
1円玉も5円玉も10円玉も50円玉も100円玉も500円玉も見分けられなかったからです。
そんな時、J子先生から教えてもらった2通りの方法があります。
- 分類とマッチング
- トレーシングペーパーで小銭の彫っている数字を浮き出させること
もう1つは、小銭に掘られている数字がどうしても見えませんでした。
梅子さんに「これいくら?」と私が聞いても全く違う金種を答えてしまいます。
梅子さん以外にも彫った文字を読めないという分かりづらさの子供が何人かいました。
紙に書いてある文字は読めても、彫った文字が読めない…わざとではないので、知識として知っていただけたらと思います。
(7)お金とタイルのマッチング
タイルが理解できると今度は、お金とタイルをマッチング(いわゆる汎化)をしていきます。
タイルを見てお金が想像できること、その逆もしかりで、お金を見てタイルが想像できたら、支払いは確実にできるようになります。
梅子さんも「想像力の欠如」に何年も苦しみました。
いわゆる、私の教えたいことが「伝わらない」「コツを掴みにくい」という状態でした。
欠如というからには、教えても無駄なのでは?と思う時もありました。
しかし、最初は欠如をしていても、継続で何年か教えていくうちにタイルとお金の関係性が入ってきました。
欠如をしているから覚えられないのではなく、最初は、欠如をしている状態に上書き保存を何度も繰り返すことでお金とタイルの知識が入っていくのだと知りました。
欠如をしているからこそ、教えていけることを知り、重度発達障害の子供の能力に希望が持てました。
4)1対1対応
梅子さんは、1〜1000タイル並べも1〜100のタイル並べも足し算も引き算も出来るようになった頃、1対1対応を学びました。
数字も計算も出来るようになった子供に1対1対応の課題は、簡単なのではないでしょうか?
計算が何桁でも出来るようになった重度発達障害の子供に「◯個ください」と言っても、言われた数を置くことは困難です。
梅子さんも何桁も足し算が出来るようになったいるのだから、正直、楽勝では?と思っていました。
しかし、J子先生から質問を投げかけられました。
梅子さんも「21個」と紙に書かれた数字を見て積み木を2と1を少し離して3個出しました。
計算や数字を理解しただけでは、使い物にならないことを知りました。
分かりづらさは、見た目には現れないのが重度発達障害です。
子供と一緒に課題をすることで障害の正体が見えてきます。
分かりづらさがどこにあるのかを知って、アプローチしていく工夫が教える側に求められます。
5)時計
重度発達障害の子供にアナログの時計をどのように教えたらいいのか分かりません。
時計の課題でもタイルを使用し、時の流れが連続的に流れていることを教えます。
2.長針は、分のメモリを表している
3.短針は、1時間ごとの範囲を表している
4.24時間制で教えると公共機関で使えて便利
5.「後、何分?」を数えることが出来たら、「ちょっと待って」が出来るようになる
6.掛け算の五の段が必要になる
7.長針は60分あるので、1〜60までは教えておく必要がある
重度発達障害の子供は、見通しが持てず、待つことが出来ません。
親が「ちょっと待って」と声をかけても、その言葉の意味が分かりません。
子供は、どれくらい待てばいいのかさえわからないので怒り出してしまいます。
その不安やストレスを解消するため、アナログの時計を教えていきます。
梅子さんの幼少期から天敵だったアナログ時計…時計が怖くてどこにも連れ出せない状態でした。
このままではいけないと思い、覚悟を決めて時計の理論を教えました。
時計の課題は、梅子さんが完全に獲得するまでに4年の歳月をかけて教えました。
正直、私が梅子さんの持っている分かりづらさをもっと早く見抜けていたら、1年くらいは短縮できたのかも知れません。
時計を理解してからは、嘘のように時計を嫌がらなくなりました。
怖くなくなってからは、自由にどこにでもついて来てくれるようになりました。
知識が自由を与えてくれたのだと思います。
梅子さんに時計を教えるにあたり、1番難しかったのは、実は、短針でした。
長針が45分〜59分をさすとき、短針が次の時間に近くなり読み間違いを起こしていました。
その分かりづらさを私が見抜ききれずに、時間がかかってしまいました。
梅子さんの分かりづらさを見抜いてからは、時計の学習が進んだので「分かりづらさを見抜くこと」が大切だと学びました。
「うちの子供は、アナログ時計は読めませんがデジタル時計なら読めます。それでもアナログ時計を教えなければいけないのでしょうか?」という内容でした。
まず、アナログ時計とデジタル時計は性質が違います。
※アナログ時計は、「今の時間を知ることもできるし、今の時間から未来の時間まで予測を立てること(例・△時△分まで後◯分)が視覚的に分かります。
※デジタル時計は、今の時間しか分かりません。
未来の時間までなら、頭の中で計算しなければいけませんね。
「ちょっと待って」が難しい発達障害の子供にとって、今の時間から未来の時間まで予測することが大切なので、アナログ時計の知識は、外せません。
もちろん、梅子さんには、アナログ時計を理解させながら、デジタル時計の読み方も教えたので両方知っています。
でも、梅子さんが好んで使っているのは、アナログ時計です。
高校の時にバスに乗って通っていたので、後◯分でバスが到着すると時計を見て理解していたので落ち着いて通うことができました。
6)分数
重度発達障害児が分数を使うってどんな時ですか?
料理に関する課題の時に使用します。
- 分数の読み方を知らない
- 分母の数が増えると小さくなっていくことが分からない
- 例えば、お砂糖大さじ1/2と読めても、大さじ2を掬ってしまうか、止まってしまう
- 買い出しでも「白菜1/4とって」と言っても、1玉を手に取ってしまう
梅子さんに伝わらないことで分数を教えようと考えました。
しかし、「分数!?重度発達障害児には、難しすぎるよ!😓」と考える方もいらっしゃるかと思います。
実は、あっけなく理解できました。
それは、「タイル」でした。
タイルの知識が入っていたので、すぐに理論は理解しました。
あとは、実践と読み方を覚えるだけでした。
タイルの知識が入ると学習のスピードも上がるので是非とも教えてあげて欲しいと思います。
長女の杏子が小学校の時、私に「どうして、小数点の掛け算って答えが小さくなるの?」という疑問に対して、小数点の仕組みからタイルで説明したことがあります。
その途中で杏子の顔がパッと明るくなり「あっ!そうか!!分かった!ありがとう。」と言って、説明途中で終わったエピソードがあります。
タイルは、健常児にも使用できますので、兄弟のお子さんにも使えます。
後にJ子先生から「1つの課題を教えるのに10段階あったとして、健常児は、3段階目くらい教えるだけで即10段階まで理解します。しかし、重度発達障害児は、1から1つ1つ積み上げていかなければ10段階まで理解できません。飛躍ができないのです。それが発達障害です」と教えて下さったことがありました。
飛躍思考ができない障害、それが発達障害です。
7)カレンダー
スケジュールを教えたいのですが、絵カードで伝えても上手く伝わっていないのか、パニックを起こしてしまいます。
どうすればいいでしょうか?
梅子さんも絵カードを見る力がなかったので、全く伝わっていませんでした。😓
そこでカレンダーを理解させ、1ヶ月に何があるのかを理解させることでスケジュールの変更も問題なく対応できるようになりました。
重度発達障害の子供にカレンダーを教える前段階で教えるべきことがあります。
- 課題学習の時のスケジュールの確認
- 数字の読み書き
- 文字の読み書き
- マトリックスの理解
- 1週間の漢字の理解
- 24時間の時計の理解
- 1年が12ヶ月あるという理解
人間の脳の凄さを改めて感じると共に、重度発達障害の子供にカレンダーを理解させる困難さを感じます。
とはいえ、早期療育で7つのことを早く獲得していけば、中学校あたりで理解できるようになります。
思春期になる前にスケジュールの理解になる基礎を入れておきたい所です。
梅子さんは、J子先生のところでセッションする時、必ず文字だけで示したスケジュールを見せてくれました。
挨拶100並べ- 1〜10のタイル並べ
- 足し算
最初から絵カードではなく、文字で示してました。
当時は、幼い梅子さんには難しいのでは?と思っていましたが、梅子さんは、文字が分からないまでもスケジュールをこなすたび、1つ1つ横線を入れて消していきました。
今思えば、文字にしておいてよかったと強く感じています。
文字だとチャラがきでも、IphoneでもIpadでも十分、今の梅子さんに伝わるので助かっています。
最初から文字に慣れておくことも大切なのだと振り返って思います。
以上が、家庭療育における重度発達障害児につけるべき7つの算数課題についてでした。
本来、教えるべきことは、算数以外にもたくさんあります。
私たちに教えることが見えてきたら到底時間が足りないと感じてしまいます。
焦らず、しかし、着実に知識を入れていくことが大切です。
知識が重度発達障害の子供に安定をもたらすことは娘の梅子さんを通して知りました。
分からない世界でいることがいかに苦しく不安定になるのかを理解し、重度発達障害の子供と自分の人生を含めて面白がりながら歩んでいけることを祈っています。
では!🌸桜🌸
発達障害の子供に「積み木を11個ください。」といえば、2個くれた子供がいます。