🌸桜🌸です。
今回、🌸桜🌸が考えている親亡き後のプランについて解説したいと思います。
なぜ梅子さんの親亡き後について、調べようかと思ったのかを教えてください。
Twitterで「子供に500万円以上は貯めてはいけない」という数字を聞いてからでした。
他にも「子供名義にお金を残してはいけない」や「子供名義のお金は50万円未満」などの情報が飛び交っていました。
その情報の根拠になるものもなく、調べてみてもよく分かりませんでした。
当時、私は梅子さんの名義預金にお金を貯めようとしていた最中でした。
しかし、不安がよぎり、改めて勉強してみようと思って行政書士の方やFPの方、司法書士の方のスペースに入って勉強させていただきました。
その知識をもとに改めて、自分なりに調べて出した内容です。
2022年現在、梅子さんは家から通所施設に通って過ごしています。
今は、私も主人も元気なので一緒に暮らしていますが、私や主人が高齢化してきて、認知も怪しくなった時、今の生活を永続的に続けていくには限界があります。
そのため、【梅子さんの親亡き後プラン】を考えていかなくてはいけません。
ただ、未来のことは誰にも分かりません。
今、考えていることが法改正や家族の事情で10年後に通じるとは限りません。
それでも、基礎となるプランを考え、変更に変更を重ねながら私の認知が許す限りカスタマイズしていこうと考えています。
今回は、梅子さんの親亡き後のため、何をどう考えているのか教えてください。
前回に書いた記事をもとに、特に必要なポイントを4つに絞ってご説明します。
2.資産形成
3.兄弟との関係
4.遺言書
その前に、モデルケースである梅子さんの現状について少し触れたいと思います。
・知的障害を伴う重度発達障害
・高校卒業後、通所施設にて就労
・意思疎通はほとんど困難
・てんかんの持病もある
・A1判定
・区分6
・年金1級
・地方にて父・母・姉(2歳年上)の4人暮らし
上記の女性の親亡き後について考えてみました。
今回は、療育的な要素は含みません。
あくまでも法律と資産のことを中心に書きました。
施設選び
親亡き後、梅子さんはどんな施設で暮らす予定ですか?
梅子さんの場合だと「入所施設」が妥当になってくると思います。
とはいえ、今は断言できません。
施設に関しては、地域格差があり一概に一緒の基準にはなりません。
そのため、住んでる地域の入所施設やGHの見学をおすすめします。
私たちが住んでいる地域は、GHは発達障害でも非常に程度の軽い方(例えば、車の免許を取得できるような方)が住んでいる状態です。
重度発達障害者の方がGHで暮らしている様子はありません。
都会のGHでは、重度発達障害の人たちの入居が始まっているようです。
軽度の方は、GHではなくマンションなどを借りたシェアハウスで暮らし始めていると伺いました。
この流れを考えると10年後以降に田舎でも重度発達障害の人たちがGHに入居も考えられるかもしれません。
そのため、今は「入所施設」希望ですが、後は変更する可能性もあります。
以上の点からも梅子さんが将来、どこで暮らすのかは「分からない」が結論になります。
入所施設の固定費
入所施設に支払う固定費ってどのくらいかかりますか?
場所にもよりますが、梅子さんの場合、年金ギリギリか少し余るくらいになるかと思います。
生活用品やお小遣いまで引くと余るお金はさほどないかと思います。
GHの固定費
GHも入所施設同様、場所によって固定費は変わります。
今の年金で固定費がギリギリのGHもあれば、足りない場所もあります。
【GHの一例】
上記の一例では、障害者年金2級の場合、固定費だけでマイナスになります。
そのため、持ち出しが必要になってきます。
障害年金だけではギリギリ、もしくは資産がないと厳しいですね。
そのために資産形成が重要になってくるのですが、セーフティネットもあります。
障害者年金と生活保護を併用した収入を目指すことをお勧めします。
しかし、障害年金と生活保護を併用するにあたり、以下の注意点が必要です。
- 援助してくれる身内や親族がいないこと
- すぐに生活費に充てられる財産(現金・預金・株など)を持っていないこと
- 病気、ケガなどでやむなく働けないこと
- 国からの公的融資や公的制度を利用していないこと
以上から梅子さんの生活費がギリギリの場合、生活保護も視野に入れておく必要があります。
・流動資産なども本人名義にしないようにする
このプランを実行するにあたり、兄弟児の存在が大きくなってきます。
長女に不動産と流動資産を渡して、配当金を梅子さんに渡す。
もしくは、現物支給で渡してもらう。
不動産も流動資産も全て売却し、現金化して梅子さんに渡す。
後見人制度を活用する。
※資産がある間は、生活保護は申請しない
寄付金
寄付金とは何ですか?
この場合は、GHに入居する前に固定費とは別に支払う必要があるお金です。
寄付金の金額は、「場所による」というのが正解です。
ただし、寄付金が必要な法人と不要な法人があります。
そのため、各自、お子さんを入れたいと思う施設に聞いてみてください。
ちなみに梅子さんの通所している施設のGHも、入所が決まれば寄付金が必要です。
他にもここ最近、「GHの廃業」がいくつかあるようです。
そのため、GHが終の住処と考えるのは難しくなりつつあります。
可能性として廃業もあり得る…ということを覚えておいてください。
資産形成
発達障害者の資産形成方法ってどのようにしたら良いですか?
少なくとも5つの方法があると思います。
2.仕事
3.障害者扶養共済
4.流動資金(株式・債券等)
5.遺産相続(預貯金・生命保険・不動産)
梅子さんの場合、以下の4つの方法で形成しています。
2.仕事
4.流動資産
5.預貯金
兄弟との関係(後見人)
1人っ子の場合は、兄弟児との関係はないのでどのようにすれば良いのでしょうか?
例えば、親戚で信頼できる方がいたらお願いするのも良いかと思います。
基本は、成年後見人制度の活用、もしくは家族信託になるかと思います。
後見人だと資産状況にもよりますが司法書士・弁護士・社会福祉士・行政書士の方になるかと思います。
では、兄弟がいてこの兄弟に任せたいと思う場合は、どうなるのでしょうか?
法制度に入る前に、兄弟児に対して4点注意が必要だと考えています。
2.兄弟児に障害ある兄弟の財産状況を伝えておく。
3.遺言書を作成しておく。(遺言書の存在も伝えておく)
4.成年後見人・相続税・相続に関する知識を伝えておく。
5.普段から家族の中で信頼貯金を貯めておく。
4番目の『成年後見人・相続税・相続に関する知識を伝えておく。』について、以下の点を長女に伝えています。
2)いざという時は、生活保護の申請をする事になるので、本人名義の通帳には40万円以下にしておく。
3)入所している施設から後見人をお願いされた場合、梅子さんの資産を500万円以下にしておく。
4)配当金などでお小遣いとしての現金、旅行や生活用品の現物支給にして渡して欲しいと頼んでいる。
なぜ、3)「資産が500万円以下にしておく。」のでしょうか?
実際梅子さんが入所するとき、資産がどのくらいになっているのか予測がつかないことと、以下の記事からとりあえず500万円以下…ということを考えました。
【流動資産が多いと、親が子供の後見人になることは難しい】
万が一、子どもに成年後見人が必要になった場合でも、「自分が子どもの成年後見人になりたい」と考える親御さんは多いと思います。
しかし、障害のある子が多額のお金を持っている場合、親族が成年後見人に選任される可能性は低くなります。
各家庭裁判所によって基準は異なりますが、預貯金や株式等の流動資産が概ね1,000万円以上ある場合には、専門職後見人が選ばれる可能性が高くなります。もし、親族が後見人になることができる場合でも、裁判所の関与なくしてお金を使うことが難しくなり、今までのように柔軟にお金を使うことはできなくなります。つまり、子どものためと思い貯めていたお金が、子供名義の口座で管理されていたという理由だけで、親がお金の使いみちを自由に決めることができなくなるのです。
そのため、もし子ども名義の口座で管理する場合には、金額が大きくならないように注意をしなければいけません。
https://miyagawa-legal.com/nominal-deposit/
私の希望では、施設から後見人をお願いされた場合、正直、長女にお願いしたいと思っています。
月2〜3万円の手数料の支払いに梅子さんの資産を使いたくないこと、そして出来ることなら定期的に会いにいって様子を見て欲しい…という願いからです。
とはいえ、後見人の年齢のことがあります。
梅子さんと長女は2つくらいしか離れていません。
そのため、長女に何かあった場合、どうするのか…について遺言書の方で解説したいと思います。
遺言書
遺言書を作成するとのことですが、どのような内容を書いていくのでしょうか?
書く内容は、人による…が正解かと思います。
後見人の所でも書いたように梅子さんと長女は年齢が近いので、寿命としてはどちらが先に倒れるのかは分かりません。
方向性は、後見人を長女にお願いしたい…という希望ですが、それだけではリスクがあります。
そのため、プランを分けました。
1.梅子さんに不動産は渡さない。
2.株式や債券・現金などは長女で管理してほしい。
3.相続が発生したとき、相続性の控除内の金額を梅子さんに渡して欲しい。
4.親亡き後、梅子さんに現物支給をしながらたまに様子を見て欲しい。
(元気なうちなら旅行の連れ出しなど)
5.病院の付き添いや手術の同意などをして欲しい。
※命に関わる場合
・助かる見込みがあるのなら、手術をして欲しい。
・助かる見込みがない場合、苦痛を伴わない方法で自然死に近い形をとって欲しい。
※兄弟児とトラブル・借金・死亡があった場合
1.不動産及び流動資産を全て現金化して欲しい。
2.法定後見人をつけて欲しい。
3.生死の権限は、入所している社会福祉法人の施設長に判断を委ねたい。
※命に関わる場合
・助かる見込みがあるのなら、手術をして欲しい。
・助かる見込みがない場合、苦痛を伴わない方法で自然死に近い形をとって欲しい。
以上のような遺言書を作成しようかと考えております。
しかし後に必ず変更をする予定ですので、3年に1回くらい、定期的に内容を変えていこうと考えております。
また、公証役場を通すかどうかにつきましては、家族間でトラブルになりそうな人間関係がないので、今の所、任意の遺言書にしようかと考えております。
以上が梅子に対する親亡き後のプランでした。
皆様のご参考になれば幸いです。
では❣️🌸桜🌸